君と 一度きりの、シキ

※実話ではございません。
 ここに出てくる地名等は現実に存在するものとは限りません。

 予めご了承ください

【20☓☓年1月1日】


___初詣に行く人混みの中に、「敷野 葉流(しきの はる)」は紛れていた。



友人はみな年越しを家族と正月を過ごす中、

人間の親戚や家族のいない俺は一人と一匹であった。



友人には一緒にどうかと誘われたが、

友人の家族と正月を過ごすのはなんとなく気が引けたし、

そもそも飼い猫である「かじゅ」がいるため断った。



俺は今から初詣に出かけるところだ。



家でかじゅに朝食を与え、

食べ終わったのを確認してから、

かじゅのために部屋の暖房をつけたまま出てきた。



交差点をいくつか通過して、

目的地へ人の波に混じって歩く。



目的地に近付くにつれ、

前へ進めるスピードが遅くなる。

人が増えてきたからだ。



普段は人が少なく静かなものの、

初詣や夏祭りになると人がごった返す。



あまり人混みは好きではないが、

昔から僕は神様というものを信じているので、

定期的にお参りにも来るし、

初詣ももちろん来る。



雑踏警備を行う警備委員の指示に従わず、

立ち止まって鳥居の写真を撮る人は一体どういう神経をしているんだろうか。

そんなことを思いつつ、

そんな人達の横を追い越して進む。
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