嘘から始まる恋煩い!

隠し通した本当の答え(side:波留)

一瞬動揺したものの、俺が突き通した嘘。

「いや、俺はいないよ。初恋もまだ。」

………こんなの、嘘に決まっている。

俺には好きな人がいる。
雨音美亜。一目ぼれだ。
明るい茶色の髪はボブカットで、明るい印象を持たせる。
パッチリとした目に透き通るように白い肌。すっと通った鼻筋、艶やかな紅色の唇。
瞳はどこか神秘的で、奥底が見えない海底みたいだ。

彼女と出会ったのは中学3年生のとき。
彼女と同じ委員会で、去年入学してきた新入生を案内する係で一緒になった。
一見明るく見えるんだけどどこか裏のありそうな姿に、俺は惚れた。
ただクラスは違うし、接触する機会もほぼない。
そう思い、俺はただ廊下ですれ違ったら彼女の姿を目で追うだけだった。
でもある日、俺の友達の本田が俺を天文部に入らないかと誘ってきた。
どうやら入りたいらしいけど、1人では心細いらしい。
チャンスだと思った。
案内係で一緒になったときに彼女の部活は知っていたし、これなら怪しまれないで近づける。
ちょうど俺は今まで入っていた部活を引退したところだし。
そう思った俺は、すぐにその誘いに応じた。

やはり彼女は天文部で、俺たちを快く迎えてくれた。
1日しか話してないのにしっかり覚えてくれてて、しかも笑顔で受け入れてくれるなんて最高だ。

………だけど、そんな彼女に気になる人ができた。
それと同時に腑に落ちた感じもした。
………そうだ、なんで俺は安心していたんだろう。
同じ部活に入っていたとはいえ、距離が大幅に縮まったわけじゃない。
なんで心のどこかで、「大丈夫だ」と安心していたんだろう。
もう、遠慮ばかりじゃダメだ。
< 28 / 34 >

この作品をシェア

pagetop