ツンデレ男児 ― 本音を出したら、ちゃんと届いた ―
第11話 頼ってみる
送迎を待っている、トワくん。 担任では無い先生が教室に顔を出す。
「いちか先生、これ後でお願いしてもいいですか?」
「はい」
そう返事をしたとき、
「せんせい」
横から、小さな声。トワくんだった。
「ん?」
「それ、ぼくも手伝うよ」
一瞬、言葉に詰まる。
「え?」
少しだけ間があって、
「前も手伝いたかったけど、先生のお仕事って言ってたでしょ?
今日もそうだけど……手伝っていい?」
その言葉に、思わず笑いそうになる。
——ちゃんと覚えてるんだ。
「ありがとう。これは明日みんなでやるやつだから、楽しみにしててね」
「うん」
トワくんは少しだけ笑った。 ほんの一瞬だけど、ちゃんと、子どもの顔で。 アイカ先生がちらっとこっちを見て、小さく口角を上げた。
トワくんの母親が迎えにきた。 トワくんは、少しだけ手を止めていた。
「どうしたの?」
声をかける。
「……これ、どうやるの?」
手元の準備を見ながら、そう聞いてきた。珍しい言葉だった。 今までなら何も言わずに頑張っていたはず。
「手伝うね」
「うん」
隣に座る。少しだけ距離が近い。 トワくんは、ちらっとこちらを見てから、また手元に目を戻した。 ゆっくり、ゆっくり進める。
「できた」
「ほんとだ、できたね」
その日の帰り道 トワくんは、こちらを振り返った。
「せんせい」
「ん?」
「ありがとう」
その言い方は、まだ少しぎこちなくて、でも確かに、“頼る”という形をしていた。 私は小さく頷くと、再び前を向いた。
「いちか先生、これ後でお願いしてもいいですか?」
「はい」
そう返事をしたとき、
「せんせい」
横から、小さな声。トワくんだった。
「ん?」
「それ、ぼくも手伝うよ」
一瞬、言葉に詰まる。
「え?」
少しだけ間があって、
「前も手伝いたかったけど、先生のお仕事って言ってたでしょ?
今日もそうだけど……手伝っていい?」
その言葉に、思わず笑いそうになる。
——ちゃんと覚えてるんだ。
「ありがとう。これは明日みんなでやるやつだから、楽しみにしててね」
「うん」
トワくんは少しだけ笑った。 ほんの一瞬だけど、ちゃんと、子どもの顔で。 アイカ先生がちらっとこっちを見て、小さく口角を上げた。
トワくんの母親が迎えにきた。 トワくんは、少しだけ手を止めていた。
「どうしたの?」
声をかける。
「……これ、どうやるの?」
手元の準備を見ながら、そう聞いてきた。珍しい言葉だった。 今までなら何も言わずに頑張っていたはず。
「手伝うね」
「うん」
隣に座る。少しだけ距離が近い。 トワくんは、ちらっとこちらを見てから、また手元に目を戻した。 ゆっくり、ゆっくり進める。
「できた」
「ほんとだ、できたね」
その日の帰り道 トワくんは、こちらを振り返った。
「せんせい」
「ん?」
「ありがとう」
その言い方は、まだ少しぎこちなくて、でも確かに、“頼る”という形をしていた。 私は小さく頷くと、再び前を向いた。