夕焼けの空に、君を想う。
「せっかくだし、貸切にしてもらっちゃう?」
そう言って、望月は笑う。
そして、父さんが一歩僕の方に近づいて、僕を見る。

「今までやってきてしまったこと、許せとは言わない。ただ、俺たち家族の''楽しんでほしい''という気持ちを、どうか…受け取ってはくれないか。」

…父さんって、こんなに優しい人だっけ。
でも、その気持ち…貰わずに捨てるのは、流石に勿体ない。
それに、水族館にはずっと…行きたいと思ってたし。
「分かった。」
僕は手の上にあるチケットを軽く握る。

「望月、一緒に行ってくれない…?」
そう言うと、望月は僕の隣に来て笑った。
「勿論、てかさっきも言ったでしょ」
「…!ありがとう」
この時、僕は初めて、人に愛された感覚がした。
__人に愛されるって、こんなにあたたかいものなんだ。
僕は貰ったチケットを見て、少し笑った。
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