夕焼けの空に、君を想う。

エピローグ

桜陽がいなくなってから。
世界は、驚くほど普通に動いていた。
朝になれば、太陽が昇る。
夜になれば、月が昇る。
人は笑って、話して、歩いている。
何も変わらない。
まるで、何もなかったみたいに。
それが、少しだけ悔しかった。
でも、同時にこうも思った。
世界は、止まらない。
だからこそ、自分も止まってはいけないのだと。
家に帰ると、相変わらず静かだった。
でも、前とは違う。
あの重たい空気は、少しだけ薄れていた。
「…ただいま。」
小さく言う。
すると、
「おかえり。」
返事が返ってきた。
驚いて、顔を上げる。
そこには、お父さんが立っていた。
「久しぶりだな。」
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