夕焼けの空に、君を想う。
「あ、の…お母さんは」
そう言ったのと同時に、お医者さんや看護師さんの顔が急に暗くなった。
「…こっちに。」
案内されて来た部屋は、霊安室。
そこにいるのは俯いて立ちすくんでいるお父さんと、
白い布を被った、お母さんがいた。

「お、父さん…そこにいるの、って」
「…望月か」

「お母さんは、望月を庇って…死んだよ。」

お父さんはそう言って、拳を強く握りしめた。
そん、な…。お母さんが、私を庇って…死んだ?
「う、嘘だ…!」
「嘘じゃない!!」

「嘘じゃ、ないんだよ…」
悔しそうに、お父さんは言った。
お母さんの手を握っても、お母さんは握り返してくれない。…手が、冷たい。
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