夕焼けの空に、君を想う。
そこから、二人でくだらない案を出し合った。
「ここで宇宙に行くとか」
「いや、意味わかんないんだけど」
「じゃあ、ここで記憶喪失」
「はは、それもありがちだよね」
結局、まともな案は出なかった。
でも、その会話が楽しかった。

気づけば時刻は夜八時。
「あ、そろそろ帰らなきゃじゃない?」
「そう、だね…」
立ち上がると、少しだけ名残惜しさを感じた。
…また来ればいいのに。
「また、来ていい?」
思わず口に出してしまった。
「うん、いつでも」
桜陽はそう言って笑った。
その答えが、やけに優しくて。
胸の奥がじんわりと熱くなった。
「じゃあ、また明後日。駅前集合で。」
「…うん。楽しみにしてる」
桜陽とそんな会話を交わした後、家を出た。
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