夕焼けの空に、君を想う。
- 秋口 望月 -
病院の時間は、ゆっくりと流れる。
時計の針は動いているはずなのに。
外の世界と切り離されたみたいに、静かだった。

あの日から、数日。
私は、ほぼ毎日病院に通っていた。
病室の扉に手をかけ、開ける。
「……来た。」
桜陽が、少しだけ笑う。
その笑顔は、前と同じようで。
でも、どこか違った。
頬が、少し痩せている。
声も、少しだけ弱い。
「当たり前でしょ。」
ベッドの横に座る。
「毎日来るじゃん。」
「…嫌なら来ないけど。」
「来て。」
あまりにも即答過ぎて、思わず笑ってしまう。
桜陽もそれにつられて、笑う。
病室では、沢山…とにかく沢山、話をする。
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