来年も、君と桜を。
「……っ」

息が詰まる。


(やば……)


視界が揺れる。

タイミングが、最悪すぎる。


「おい」

蓮の声が近くなる。

「どうした」

「……なんでも、ないです」

無理やり笑う。


(今じゃない)

こんな状態で言えない。

「……大丈夫です」

一歩下がる。

距離を取る。


「……今の」

蓮が何か言いかける。


でも、

「ごめんなさい」


先に遮る。

「やっぱり、なんでもないです」
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