来年も、君と桜を。

さよならのふり

次の日。

教室に入るだけで、息が詰まりそうになる。


(……いる)


見なくても分かる。

一番後ろ、窓側。

そこに蓮がいる。



でもーー

(見ない)


視線を逸らしたまま、自分の席に座る。


「……陽菜」

名前を呼ばれる。

胸がぎゅっと締めつけられる。


でも、

「……」

聞こえないふりをした。
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