法律探偵団!

第一話 不可解な殺人事件

――キーンコーンカーンコーン。

2時間目の授業が終わり、長い休み時間に入った頃、教室の一角で、何やら話し込む5人組が居た。

憲法ちゃん、刑法ちゃん、刑事訴訟法(以下刑訴)くん、民法くん、民事訴訟法(以下民訴)ちゃん。

彼らは放課後密かに探偵団を運営しており、様々な未解決事件の真相を暴いている。現在は放課後に調査する事件について、話し合いをしている途中だ。

「これはまた不思議だね」

「だろ?」

刑法ちゃんの疑問に同意しながら、民法くんが目の前にある紙を指さす。そこには手書きで事件の内容が記されていた。

1.午後1時頃、南区街中で通行人の相沢未来さんが被害者三島祐介さんの遺体を発見。

2.三島さんの遺体に確認された外傷は軽い打撲痕のみであった。

3.目撃証言によると下を向きながら歩いていた三島さんは電柱に軽く頭を擦り、その途端に倒れ込んだ。

4.当時怪しい人物として周辺でガイコツを見たという通報が多くあった。

「うーん。電柱で少し頭擦ったくらいで突然倒れてそのまま亡くなってしまうなんて有り得るのかしら」

刑法ちゃんが考えながら、手を顎に当てる。

「じゃあ、が、がいこつの仕業なんじゃ……」

おそるおそる刑訴くんが意見をし、みなを見回す。

「そんなわけないじゃない!そんなん誰かのいたずらに決まってる」

それに対してありえないと刑法ちゃんが突っぱねた。

「外傷が軽い打撲のあとだけってことは、普通、人が死ぬような傷は他に残ってなかったってことだよね?捜査の中で司法解剖とかされてないの?」

今度はひそかに聞いていた民訴ちゃんが疑問の声を上げる。

それを聞いた刑訴くんがさっきの不安そうな顔とは打って変わって、待ってましたと言わんばかりに返答した。

「三島さんが電柱にぶつけたとされる頭の場所と見つかった軽い打撲痕の位置がほぼ一致したことから、警察は今回の出来事に不可解な点はあったものの、事件性は低いとして司法解剖をしなかった」

【️刑事訴訟法168条 日常だとドラマなどでよく耳にする司法解剖。変死体などの事件性の高いとされる遺体について行われることが多い。裁判所の許可、許可状に基づいて医師(刑訴法上は鑑定人)が遺体の解剖を行う】

「そこで納得のいかない娘さんに調査の依頼をされたってわけ」

言いながら、刑法ちゃんが2人の間にひょいっと顔を割り込んで、得意げに告げる。

「娘さん?」

「うん。南校の生徒だって言ってた」

「まあ、そんな感じだ。とりあえずみんな内容を把握したことだし、今日の放課後に調査だな。いつもの時間でいいか?」

「うん!」

民法くんの取り決めに、約一名を除いて各々が頷く。

「おい、憲法おきろ。聞いてんのか」

「ふがっ。むにゃむにゃ。うんうん。ガイコツ調査のために放課後集合ね」

「なんも聞いてないわね」

呆れたようにガックリと肩を落とす刑法ちゃん。憲法ちゃんは探偵団のリーダーでありながら、毎回気だるげな様子で参加している。

「ま、いつものことか」

民法くんが苦笑いを浮かべ、それに皆が納得したところで、予鈴が鳴った。これにて一旦会議は終了し、それぞれが自分の席に戻る。


学校が終わり、初夏の日差しが照りつけるなか、公園に併設された東屋の下で会議が行われようとしていた。

「よおし刑訴がまだ来てないけどどうせ宿題終わんなくて親に怒られてるだけだろうから始めるか」

民法くんの合図とともに他の三人がそちらに目を向けて頷く。

「まず調査したいのは南区の遺体発見場所だよな」

「そうね。でも捜査機関の捜査は終わった後で、今はもう何も残ってない。ショッピングモールまでの通過点だから何度も通ったことあるし」

民法くんの提案に刑法ちゃんが意見する。

「確かにな今じゃ警察もほとんど動いてないし、地元でもそんなことあったねってくらいだ」

「通報者の相沢さんって人はどこにいるか分からないの?」

二人の会話に民訴ちゃんが柔らかな声で口を挟んだ。




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愛されたい。好かれたい。認められたい。嫌われるのが怖い。寂しい。 「よく頑張ったね。もう大丈夫」 家族愛、姉弟愛、友情愛、恋愛。できるだけたくさんの愛情を込めました。 必死に生きる人の心に、どうかこの物語の魔法が届きますよう。

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