敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です
「ひとりでやるんだな?」

「ええ。部下はいりません。その分、ひとりでじっくり取り組ませて頂きます」

 すると、そこに社長が入ってきた。

「怪我はだいぶよくなったようだな、透」

「社長」

 社長は立ち上がろうとした高原を制した。横の佐貫部長は立ち上がり、頭を下げた。

「すみません。わざわざお越しいただいて……」

「いや、たまには現場をみたい。足の悪い部下を使うつもりはないよ。それで、次期チームリーダーはどうだ?」

 にこやかに笑いながらミーティングをする雪ら四人を見つめた。

「いや、和やかでいい感じだな。ピリピリした透のチームとは大違いだ」

「ひどい言い様ですね」

 高原はむっとした。しかし、笑顔の雪を見ると癒された。

「透。お前は来月からEFRの役員だ」

「ええ?!」

「課長から三階級特進だ。大学で教鞭をとるんだし、今までの功績を考えれば当たり前だ」

「……それは嫌です」

「そう言うと思った。今回は拒むなよ」

「佐貫部長が本部長になって、僕が部長になるということでいいのでは?」

 佐貫部長は真っ青になった。

< 131 / 218 >

この作品をシェア

pagetop