星の約束


「未波って彼氏とかいないの?」


きっと、そんなに深い意味はなかったのだろうけど、
私はひどく驚いた声を出してしまった。


「え、なんですかいきなり」

「いや、いるのかな、ってゆう好奇心」

「いません、けど。
先輩こそ、彼女さんとはどうなんですか?」


先輩はわざとらしく眉根をさげ、悲しそうな声を出した。

芝居がかった、少し大袈裟な話し方は、先輩の癖というか、特徴だ。


「それがさ、この前別れたんだよ」

「え、なんで」


私はさっきよりももっと驚いて、心の底からそう言ってしまった。

先輩の話し方が好きで、先輩の一挙一動に合わせていつも話していたが、今の声は本当に本心からだ。


「部活の後輩たちと一緒に、クリスマスに星を観に行く、って話したら、急に怒り出したんだよ」

「あぁ…」


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