星の約束


「入部します」


そう聖が言ったのは去年の5月も終わる頃だった。

聖の前にも何人か来てそう言っていったが、
その子たちが部活に来ることはなかった。

この部活が、幽霊部員のための部活であるという情報を得てから来たのだろう。

だから、聖が来たときも、たいして興味も示さず、入部届を受け取った。

そして一応は毎回言っている言葉をかける。


「部室は毎日開けてるから、来たいときに来てね」


と、笑顔を添えて。

そのときすでに、私と、先輩しか来ていなかった部だ。

おそらく、もう増えることはないだろうと思っていた。

しかし。


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