悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
いや、ちょっと待て。
可愛過ぎて窒息死する!
危うく全力で莉子を抱き締め、潰してしまいそうになる手前。俺はすんでのところで理性を働かせ、何とか平常心を保った。
「え?マジであんなので効いてるの?莉子さんチョロ過ぎでしょ。それじゃあ効果が切れた時にまた呼んでよ。俺はどっかで時間潰してるから」
そんな俺らの様子を隣で物珍しそうに眺めていた圭は、気を利かせて颯爽とどこかへ行ってしまった。
こうして、催眠状態にかかった莉子と二人っきりになった俺。
未だに信じられないけど、あのおっさん曰く効果はすぐ切れるらしいから、今のうちにやりたいことを詰め込もうと俺は思考をフル回転させる。
このまま家に連れて帰るか?
けど、その間に効果が切れたら何の意味もない。
だとしたら、イチャつくならここしかないか。
本当はキスやら色々してみたいけど、親父との約束があるからそれはダメだ。
だとしたら、どうする?
色々悩んだ結果、まず一番始めにやりたいこと。
それは、莉子を抱き締める。
「莉子、俺のこと好き?」
とりあえず、しっかりと理性を働かせて、俺は莉子の体を包み込むように優しく抱き締め返し、囁くように耳元で語りかけた。
「当たり前でしょ。私は櫂理君のことが大好きだよ」
それから、ずっと求めていた言葉を莉子は躊躇いもなく嬉しそうに捧げてくれた。
…………けど。
なんだろう。
もしかしたら、今は少し意味が違うのかもしれないけど、お互い家族として当たり前のように“好き”と言っていたせいか。
求めていた言葉ではあるけど、なんだかあまり新鮮味がないような気がする。