悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
とりあえず、せっかく買ってきてくれたので、早速食べてみようと。
中を見たらノーマルバージョンと、期間限定のホワイトチョコクリームがあり、私は真っ先に期間限定を選んだ。
「美味しいー。やっぱり、話題になるだけのことはあるね。櫂理君、ありがとう」
一口食べでみると、普通のクロワッサンよりもパン生地の密度があり、クリームも甘過ぎずパンの甘さと上手く調和されていて、とても上品な味わい。
買い方には大いに問題があったけど、こうして美味しいものを買ってきてくれた櫂理君の好意は素直に受け止めようと、私は笑顔でお礼を言った。
すると、次の瞬間。
不意に櫂理君の顔が目前に迫ってきたかと思うと、口角にぬるりと熱くて柔らかいものがあたり、私は驚きのあまり目を見開いたままその場で固まる。
「うん、確かに美味いな」
一方、櫂理君は満足げな表情で舐めとったクリームを堪能していた。
「かかか櫂理君!?や、約束……」
そして、数秒経ってから今自分がされたことを理解した私は、舐められた口元を手で押さえながら訴える。
「何が?俺は莉子の口に付いてたクリーム取ってあげただけだけど?」
しかし、櫂理君は全く動じることなく、きょとんとした様子で首を傾げる。
もしかして、本当に他意はない?
あまりにも自然に振る舞うので一瞬そんな考えが過ったけど、それなら指で取ればいいのではと。もう一人の自分が冷静にツッコんできた。
「なあ、それより俺にも一口頂戴」
すると、考える隙を与えさせないと言わんばかりに、櫂理君は肩に手を回してきて、小さく口を開けておねだりをしてくる。
結局、何だかんだ彼の甘えに敵うはずもなく。
私は言われるがまま、櫂理君の口に食べかけのクロワッサンを運んだ。