Actors☆5(アクターズ☆ファイブ) ~5人で挑む、はじめての舞台~


「その……俺の父親は、八乙女晃成なんだ」

「……ん、八乙女晃成って、あの有名な舞台俳優の?」


口いっぱいに詰め込んでいたクリームパンを飲み込んだ優希も、八乙女晃成の存在はさすがに知っている。

雄星が頷けば、優希はのほほんとした笑顔を浮かべた。


「へえ、そうなんだね」

「……それだけか?」

「へ? それだけって……?」

「いや、もっとこう……」


雄星は困惑した。

父親の正体を明かせば、大体は驚かれたり、八乙女晃成の話が聞きたいと言われたり、サインをねだられたり。

そんな反応が普通だと思っていたからだ。

だけど優希の反応は、そのどれとも違っていた。


「あっ、僕もね、もちろん、八乙女晃成さんのお芝居は観たことあるよ。すごいよね。観ている人の心を一瞬でつかんじゃうような、目が離せなくなるような演技をしててさ……僕もあんな風にお芝居ができるようになりたいなぁ。負けてられないなって思うよね!」


気合十分! といった様子で拳を握りしめている優希の姿を見て、雄星は拍子抜けしてしまった。

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