前世での誓い





「あ、お姉さーん。暇?1人?一緒にお酒飲みに行かない?」


「あ、え、いや。帰るんで」




新さんに気を取られて、近くにいた酔っ払いのお兄さん2人に気づかなかった。今日はやけに酔っ払いに絡まれる。酔っ払っているとはいうものの、さすがに肩を組まれると嫌な気しかしない。


肩に絡まった暑苦しい腕を振り払いたくて、必死に全身を捩って逃げようとするけど、2人の男の人を前に逃げるのは難しい。隙を見て走って逃げられないかな。なんて考えていたら、あっさりと肩から腕が解けた。





「那津さん、行くよ」


「…新さん!?」





お兄さんたちがいなくなったんじゃなく、私がお兄さんたちから離れていた。しかも、新さんに手を握られて。新さんの手は暖かくて力強くて、ほんの少し震えている気がした。


お兄さんたちが引き止める前に、駅までの階段を駆け上がり、改札前で足を止めた。息が上がって、整えるのに必死。新さんは、同じように息が上がっているのに何故か笑顔で、清々しい表情をしている。





「ありがとう、ございます…」


「ごめんね。急に、びっくりしたでしょ」


「今日は、びっくりすることばかりです(笑)」




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