前世での誓い
「……やば、」
「え?」
また顔が項垂れて、小声で何かを言ったけど、聞こえなかった。顔を上げてこちらを見ると、目が潤んでいるように見える。私の頬はまだ熱い。
「聞きたかったこと。那津さんはお夏さんと話したり、お夏さんの時代の記憶が見えたりしないんですか?」
目は潤んでいるのに、何もなかったように話し出して、私だけ置いていかれてる気がする。
「話したことはないです。でも新さんとお昼ご飯を食べた日、新さんと歩いてたら、男の人と並んで歩いた懐かしさみたいなものを感じたんです」
「那津さんの、元彼…ってことですか?」
「新之丞さんとお夏さんの記憶だと思います。確信はないけど、多分そうだと思います」
「そっか。じゃあ僕らも、同じように並んで歩けますかね?」
つけていたハザードランプを解除して、また走り出した車。タイヤとアスファルトが擦れる大きな振動を感じながら、〝僕らも〟という言葉の意味を必死に理解しようとした。
目的地に着くまでは、会社の話をしたり休日の過ごし方をお互いに話したり、それなり和やかに過ごした。新さんに触れられた頬はまだ少し熱を帯びていて、心臓の鼓動もいつもより早い気もする。