カラーリップ
4
なんだかんだ見て回ってたらもう夕方になってた
結局今日買ったのはカラーリップ一つだけ
垢抜けはまだまだ難しそうだなあ
自転車の鍵を差し込もうとした瞬間、スマホが鳴った
画面を覗くと、友達からのLINE。
『ごめんね、昨日は! 今度、埋め合わせに近所の公園でお花見しない?
コンビニで適当に買い出ししてさ。
あ、伊藤くんたちも誘ってみたから、結構人数集まるかも!』
「お花見……」
ふと顔を上げると、遠くの土手沿いに桜並木がある
だけど、まだそんなに咲いてない、せいぜい一分咲き
いつもの私なら、「人見知りだし、やめとこうかな」と思ってたかもしれない。
けれど。
ポーチの中にあるリップカラーが、背中を押してくれた気がした。
「……いいよ。何時にどこ?」
返信を打つ指先がさっきより軽い。
自転車を漕ぎ出すと、春の風が耳元をすり抜けていった。
結局今日買ったのはカラーリップ一つだけ
垢抜けはまだまだ難しそうだなあ
自転車の鍵を差し込もうとした瞬間、スマホが鳴った
画面を覗くと、友達からのLINE。
『ごめんね、昨日は! 今度、埋め合わせに近所の公園でお花見しない?
コンビニで適当に買い出ししてさ。
あ、伊藤くんたちも誘ってみたから、結構人数集まるかも!』
「お花見……」
ふと顔を上げると、遠くの土手沿いに桜並木がある
だけど、まだそんなに咲いてない、せいぜい一分咲き
いつもの私なら、「人見知りだし、やめとこうかな」と思ってたかもしれない。
けれど。
ポーチの中にあるリップカラーが、背中を押してくれた気がした。
「……いいよ。何時にどこ?」
返信を打つ指先がさっきより軽い。
自転車を漕ぎ出すと、春の風が耳元をすり抜けていった。