月の最強男子はぷりんせすに夢中。


月の最強男子はぷりんせすに夢中。



登場人物


姫里 月(ひめさと るな) 愛されぷりんせす
無自覚に男たちの独占欲を煽る、愛され体質の女の子。



最強男子名鑑


観月 蓮(みづき れん)   冷徹な最強男子
「俺以外の男を見るな。これは命令だ。」

名家の御曹司。完璧主義でクールだが、月にだけは見せる独占欲が重め。



月城 優(つきじょう ゆう) 成績優秀な最強男子
「明日の予定は、俺との勉強会で埋まっている。…断る選択肢はないからな。」
学年一位の秀才。常に冷静だが、月のこととなると計算が狂う。論理的に外堀を埋めていくタイプ。



望月 凪(もちづき なぎ)  かわいいけど最強男子
「みんなズルい!僕も月ちゃんとくっつきたいな?」
一見ムードメーカーの癒し系。実は世界の裏を回す親分?



狼月 琥珀(ろうづき こはく) 野獣系最強男子
「黙って俺に狩られてろ。」
直情的で圧倒的なカリスマ性を持つ。月を「獲物」のように扱いながらも、誰よりもまっさきに守りに来る。



如月 湊(きさらぎ みなと)  あざと可愛い最強男子
「るな姉、僕のことだけ見てて?あいつらに浮気したら、泣いちゃうからね?」
武器は可愛さ。が、時折見せる「雄の顔」が超危険。


 
氷月 薫(ひょうづき かおる) 大人の余裕最強男子
「そんな坊やと遊んでないで、こっちへおいで。」
月の年上いとこ。大人の余裕を見せ、周りを圧倒させる。
ホストも驚く口説き力。



MOKUZI


プロローグ

1.いとこ襲来

2.新しきライバル Side凪

3.月を守れ! Side琥珀

4.俺らの気持ち Side蓮

5.みんな大好き!

6.高価なコートと月 Side蓮

7.GPSと月 Side 優

8.ケガした指と月ちゃん Side凪

9.俺の匂いと月 Side琥珀

10.僕という男とるな姉 Side湊

11.家の鍵と姫 Side薫

12.楽しいホームパーティー

13.かったはず。

14.嫌いなんて Side琥珀

15.言わなきゃよかった

16.運命の糸?

17.借り物競争大惨事

18.障害物競走大惨事

19.大事故!?マイクジャック事件!

エピローグ


プロローグ

私の名前は姫里 月。

ただただ平凡で静かに生きる生活を願っているごく普通の女の子。…なはずだけど普通じゃなかったりする。


「そ、そんなにぎゅうぎゅうにならなくても大丈夫じゃないかな…?」


いつものことだけど、登校中は私の幼馴染たちが私の周りを確保する。

こっちを見ている男子がいると、なぜか怒っているよう。


「「「「「ダメ。月が可愛すぎて危ないから。」」」」」


なんて言われる。

可愛すぎてはお世辞すぎるけど。


「月、今日も可愛いな。」


そんなことを言ってくるのは、名家の御曹司・観月 蓮くん。

一応幼馴染だけど、超お金持ちのお家の子だから住む世界が違うんじゃないかって思ってる。


「うるさいな蓮。月は俺のものだと何度言えばわかるんだ。」


今にも蓮くんの胸ぐらを掴もうとしているのは、成績優秀な月城 優くん。テストはいつも学年一位の秀才なんだ。


「あんな喧嘩に付き合ってないで月ちゃん僕と一緒に行こ!」


と言って、私の手を引いたのはニコニコ笑顔がとってもかわいい望月 凪くん。可愛いぬいぐるみや甘いスイーツが大好きで、気が合
うんだ。


「こんなキモい男といたら腐っちゃうぜ?俺と行こう。」


そういうのは、狼月 琥珀くんことこはくん。

ワイルドな野獣系で、何かあったときはいつでも一番に駆けつけてくれる頼れる幼馴染!でも…来てくれるときはいつも近くでバイク
の音がするんだよね…。バイクって中学生は乗っちゃいけないけど…?

まあ、そんなことないよね!


「ホントにみんなバカらしい。るな姉、一緒に行こっか!」


そういったのは、ひとつ年下の幼馴染の如月 湊くんことみっちゃん。

年下でとっても可愛いんだ。


「2人じゃさみしいから…みんなで行かない?」


私が提案すると。


「「「「「えぇ…」」」」」


あんまり賛成じゃないみたい。


「みんなで仲良くしたいんだ!ダメ…かな?」


私がいうと、みんなで目をまあるくして急に顔を赤くした。


「月がいいっていうなら…。」


蓮くんが少し不満そうに言う。


「るな姉と一緒に行きたいからさんせー!…?」


みっちゃんは少し不安そう?な顔だけど…
なんとか賛成してもらえた!


「よし!じゃあ、行こう!」


私の両腕は、凪くんとみっちゃんに抱きつかれた。


「私、そんなに好かれるような性格じゃないよ?」


私の言葉にみんなが「はぁ…」と大きなため息をつく。

ギュッ!


「わぁっ!」


急に、みんなにハグをされる形になった。


「これでわかったろ?月がみんなに愛されてること。」


蓮くんの言葉に私は大きくうなずいた。


「うん!わかった!私って、とってもみんなに友達として愛されてるんだね!」


私の言葉に、みんなはきょとんとした顔をした。


「えっ?なんか、変なこといっちゃったかな?」


「い、いや…今はいい…。」


「次こそはわかってもらうからね~。」


なーくんが言った。

わかってもらうって、どういう意味?


1.いとこ襲来


「明日から夏休みだね!」


私の言葉にみんなは目をキラキラさせた。

やっぱりみんな、夏休み楽しみなんだ!


「月ちゃん!一緒に海行こ~!」


「うん!みんなと一緒に海行くの、楽しみだね!」


帰り道、そんな会話をしていると家に着いた。


「そうだ。今日は誰んち集合?誰でもいいけど。」


こはくんが言った。

小学生の頃からのルールで、行ける日は誰かのお家に集合して一緒に遊ぶんだ。


「じゃあ…最近凪くんの家いってなかったから凪くんの家がいい!」


「やったぁ!」


「じゃあね!ばいばーい!」


みんなに手を振って、家の中に入った。


「ただいまー!」


部屋にカバンを置いて、リビングに行った。


「おかえりー」


出迎えてくれたのは…。


「薫さん!」


薫さんこと氷月 薫さん。20代のいとこなんだ!

明日の朝に来る予定だったけど…。


「久しぶり!電車で来て家に着いたら、まりちゃん(私のお母さんだよ!)が家から出るところでさ。ギリギリセーフで家に入れてもらったんだ。まあ、すっごい早く来ちゃったのが悪かったけどね。」


薫さんはハハッと笑っていった。


「立ち話はなんだし、俺の家じゃないけど上がって。」


薫さんに言われてうなずきながらリビングに行った。


「お土産持ってきたんだ。姫は甘いもの好き?」


「好きです!…っていうか…”姫”って?」


薫さんの私に対しての呼び方に驚きを持つ。


「名字、姫に里でしょ?だから姫。姫っぽい感じじゃん?はいこれ、お土産~。」


薫さんは、リビングの端っこにおいてあったスーツケースの中から紙袋を出した。


「これって…ずんだ餅!」


「東北大学で、仙台に住んでるんだ。」


「甘いの食べたい気分だったんです!食べてもいいですか?」


「うん。姫のために買ってきたから。ぜひ食べて!」



私は、袋から出して私と薫さんの分をお皿に分けた。


「いただきまーす!…ん~!甘くて美味しいです!」


そんな会話をしている時。

ピンポーン


「はーい…?」


玄関を開けるとそこに立っていたのは蓮くんたちだった。


「月ちゃん、どうしたの?」


「なかなか来ないから心配してた。」


「あぁ…。実は今いとこが来てて…。」


「どうしたの?姫。」


リビングから薫さんが顔を出した。


「「「「「えぇぇぇ!!」」」」」


「月!こいつ、誰?!」


こはくんが血相を変えて私に聞いた。


「い、いとこの薫さん…。」


蓮くんたちは眉間にシワを寄せた。


2.新しきライバル Side凪

僕の名前は望月 凪。

月ちゃんの一番のお友達だよ!…って思ってるのは僕だけ…。月ちゃんとは幼馴染。本当だったら、2人だけの幼馴染が良かったけど邪魔者が何匹かいる。

でも、僕だったらそんな邪魔者の壁はひとっ飛び。
…というわけにもいかなかったりする…。

僕の可愛さでみんなを余裕で追い越しちゃうもんね。

月ちゃんの初カレは僕のものだもん!

そして今日。

僕の家には男ら全員が揃った。


「月ちゃん、こないねぇ。」


みんなお菓子を食べたり、スマホをイジったりしてダラダラ過ごしているように見えて、実はみんな心配してるっていうのが伝わって
くる。

琥珀くんと蓮くんはずっとスマホを見てるけど、ずっと月ちゃんとのトーク画面を見ている。湊くんは、窓を覗いているように見える
けど、時々「るな姉まだかな」という声も聞こえる。

とりあえず、みんな心配なんだなぁ。僕もだけど。


「じゃあ、みんなで月ちゃんの家までお迎えに行こっか。もしかしたら、なにか用事ができたのかもしれないし。」



というわけで今。


「っていうことで…。あっ、自己紹介しよっか!」


月ちゃんに言われて、僕から始める。

「望月 凪。」


「観月 蓮。」


「月城 優。」


「狼月 琥珀。」


「如月 湊。」


「俺が氷月 薫だ。」


「あ、あれ?みんな、元気ないの…?」


元々こいつと仲良くする理由もないし。


「ま、まあ、仲良くしてね!」


「月、こんな坊やたちのお遊びに付き合ってないで一緒におでかけにいかない?」


やっぱりこいつ、僕たちから月を奪う気だ…!


「僕も行く!」


「俺もついていく。」


「るな姉、ついてっていいよね?」


「俺も買いたいものがあるから一緒に行く。」


「二人きりにさせるわけねぇだろ。」



一緒に出かけたけど…。


あいつめ…。月の隣を制している…。


「私、お手洗い行ってくるね!」


ということで、男らがトイレの近くで待っている。


「俺も行ってくる。」


と言って、あいつもトイレに行った。


「うっぜぇ…。」


蓮くんの口からそんな言葉が漏れた。

やっぱりみんなおんなじ考えかぁ…。


「いい?ここは協力プレーだ。外敵、主にあいつから月ちゃんを守る。」


みんなで大きくうなづいた。


「月は俺のものだ。」


「絶対あいつには取らせない。」


「あいつのクソヅラ殴ってやりたい…!」


「僕もそう思ったとこ。」


「僕たちでとっちめちゃおっか…!ふふっ」


僕たちは一致団結して、月をあいつから守る決意をした。

                         
3.月を守れ! Side琥珀



「楽しかったね!」


俺らは月の家にいた。


「もう暗くなってきたね。蓮くんと優くんと凪くんとこはくんとみっちゃん、もう帰ったほうがいいんじゃない?」


そう言われても、帰りたくない。

今までも帰りたくなかったけど、今はもっと帰りたくない。


「月の言う通り、もう帰ったほうがいいんじゃないの?」


キッチンでご飯を作っていた月のお母さんも言った。


「だったら…。」


月城がコソッと月のお母さんに耳打ちした。

何の話だ?


「薫くんと月を同じ部屋に寝かせない?もちろん、そうするつもりよ。だって、なんていうか…月も薫くんもお年頃でしょ?それに、月の未来のお婿さんもここにいるようだし。」


月のお母さんはニヤッと笑って月に言った。

ここで月のお母さんに公開告白されても別に恥ずかしくはない。だって、いつも気持ちを伝えているから。

月は月のお母さんの言葉に首を傾げた。


「未来のお婿さんって…?どゆこと?」


さすがの鈍感さに氷月も目を見開いていた。


「っていうか、別におんなじ部屋でもいいけど…。」


「…そういうわけにもいかなそうなのよ…。ほら、見て…。」


月のお母さんは俺らのこと見た。

俺らからは多分、超不機嫌っていうのが顔に出ているだろう。


「あ、あぁ…わかった…!じゃあ…薫さんには和室でねてもらおっか…!」


月も俺たちの不機嫌さに流石に気がついたようだった。


「そ、そうそう…!それがいいわ…!」


月のお母さんの配慮にも心を撫で下ろす。



4.俺らの気持ち Side蓮


帰ろうとした時、俺は月に声をかけた。


「月に言いたいことがある。一緒に公園に来てくれないか?」


月は俺の気持ちなんて察していないかのように首を傾げながらうなずいた。


「月!俺も!」


「僕も!」


「るな姉、僕も一緒に行く!」


「俺も行く。」


「じゃあ、俺も行こっかな~」


なんて男らが言ったせいで、2人きりにはなれなかった…。

(なんで氷月まで来るんだよ!)



「えっと…蓮くん、言いたいことって?」


月に言われて、俺は真剣な眼差しで月に言った。


「小さい頃から、ずっと、好きだった…。」


俺は手を月の方に向けた。


「ちょっ…!抜け駆け?!」


望月の声が聞こえるがガン無視。


「俺もだ。ずっと前から好きだった。」


はぁ?優まで…?


「もぉ…!僕も!月ちゃんのことが好き!」


も、望月もかよ…。


「お、俺もだよ!俺も、月のことがずっと前から好きだ…。」


狼月も…!


「るな姉!僕もだーいすき!僕のこと選んでくれるよね!」


如月も…。


「ふっ…。所詮はみんな子供だ。だったら、俺だろ?」


氷月まで…。




((((((届け!俺(僕)の気持ち!!))))))



手が握られた感覚がした。


「えっ!」




5.大好きだよ

みんなに公園に呼ばれた。


「えっと…蓮くん、言いたいことって?」


私が聞くと、蓮くんは真剣な表情で私の前に立った。


「小さい頃から、好き、なんだ…!」


好き…!

蓮くん、私のこと好きなんだ!


「ちょっ…!抜け駆け?!」


凪くんの声が聞こえる。

抜け駆けって…どういう意味なんだろう?


「俺もだ。ずっと前から好きだった。」


優くんも?


「もぉ…!僕も!月ちゃんのことが好き!」


凪くんも!


「お、俺もだよ!俺も、月のことがずっと前から好きだ…。」


こはくんもだ!


「るな姉!僕もだーいすき!僕のこと選んでくれるよね!」


みっちゃんまで!


「ふっ…。所詮はみんな子供だ。だったら、俺だろ?」


薫さんも!

でも、みんなはどうして手を出してるんだろう?

友達から聞いたことあるかも。


『好きですって言われて手を出されたら、好きな人の手を握るんだよ。それは本当の自分の気持ちを試すとき、だからね!』


これは…本当の私の気持ちを試すとき…。


好きな人の手を握る。


大好きな人はこの世の中にたくさんいる。


お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん…。


けれども、それとは違った大好きな人が、私にはいる。


私の大好きな人は…!


決めた…!

私は、この人と一緒にいる。








「私も、大好きだよ。」








私はある人の、手を握った。




ずっと一緒にいたい。




そう、思える人の手を、握った。





「これからも、よろしくねっ…!」






私は、〇〇の手を握った。





「「「「「えっ…!」」」」」


みんなが少しずつ顔を上げた。






「「「「「俺・僕…選ばれた…!?」」」」」






「「「「「え…」」」」」


みんなの声が重なる。


「る、月…。だ、だれのことを…選んだ…?」






「私は…みんなのことを選んだよっ!!」





                       
「「「「「え…」」」」」


「あれ…?私…なにかやっちゃった…?」


みんなの反応を見て周りをきょろきょろ見渡す。


「い、いや…」


「ま、まあ誰かが選ばれて泣くより、マシだな…。」


「諦めないけどね…!」


選ばれる?

わからないけど、私はニコッと笑った。


6.高価なコートと月 Side蓮
俺は観月 蓮。
「月、今日は一緒に帰らない?」
下校時刻になって、月に声を掛けると快くオッケーしてくれた。
優や望月が来たらめんどくさくなるから、こういうのは早めに誘わなきゃいけない。
俺のとなりに月がいる。月が俺に笑いかけてくれる。
それだけで感謝でしかない。
「じゃあ、行こっか!」
やば。俺の顔がゆがむかも…。
数m先に水たまりがあった。
昨日雨ふってたからな。
俺は、自分のコートを脱いで水たまりの上にかけようとした。
「ちょ、ちょっと蓮くん!何やってるの?!」
「え?だって、月が濡れるだろ。だから。

「こんなに高価なコートを汚しちゃうのはもったいないよ!」
そういって、月は水たまりをぴょんと飛び越えた。
「こうすれば、オッケーでしょ?」
月の笑顔に俺もフッと笑みがこぼれた。
やっぱり、可愛い。

7.GPSと月 Side優
俺は、家に帰った後即座にスマホを見た。
あっ、寄り道してる。
月のスマホにはGPSを入れてもらった。
何かあったときにはすぐに駆けつけられるよう。
俺が一番に、月を守るために。

次の日__
「月、昨日寄り道したでしょ?ダメって言ったよね。1人で知らない人がいる道は。」
俺の説教に、月は悲しそうな顔一つしないで笑顔で、「ごめんなさーい」と答える。
俺は、月の手を優しく、でも逃げられないように掴んだ。
「俺の目が届かないところには行かないで。月を守れるのは俺だけなんだから。」
月は「はーい!」と微笑んで笑顔で答えた。
やっぱり、可愛い。

8.ケガした指と月ちゃん Side凪
「はーい!」
月ちゃんの楽しそうな声が聞こえる。
振り返ると、そこでは月ちゃんと優くんが話をしていた。
また、月ちゃんはニコニコの笑顔で優くんに言った。
むぅ…!
僕の月ちゃんなのにぃ…!
机の中からカッターを取り出して指を切る。
うぅ……いって…。
「痛いよぉ…月ちゃーん…」
そう言って、僕は月ちゃんに泣きついた。
「えっ!凪くん、大丈夫!?」
そういうと、月ちゃんはすぐに自分の机の中から絆創膏を出して、僕につけてくれた。
ペロッ
絆創膏をつけてくれている、月ちゃんの手をペロッと舐める。
「え?あぁ…!傷口は舐めちゃダメだよ!」
やっぱり、可愛い。

9.俺の匂いと月 Side琥珀
最近、月が他の男と話しているのをよく見かける。
ちっ…くそっ…。
月が一人になっているところを見て、俺は飛びつく。
クンクン
月の首元や手の匂いを嗅ぐ。
「俺の匂いが薄れてる…!」
月を壁際に追い詰めて、深い吐息をもらした。
「他のやつの匂いがつく前に、俺でお前の全部を塗りつぶしてやる。」
野獣のような低い声で喉を鳴らした。
「もぉ~こはくん、やっぱり甘えんぼうさんだね!」
月は嫌がる気配もなく微笑んだ。
やっぱり、可愛い。

10.僕という男と月ちゃん Side湊
今日は、近くの公園でみんなで鬼ごっこをして遊んでいる。
「あれ~?みっちゃん、どこいちゃったの?」
鬼の月ちゃんがキョロキョロ周りを見渡している。
ぎゅっ
後ろから勢いよく抱きついた。
「わっ!びっくりした~!」
るな姉は嫌がらずに笑っていった。
「るな姉、本当に僕のこと男としてみてくれてる?」
少し低い声で言った。
「もちろん!だって、みっちゃんは男の子でしょ?」
「うん!そうだよ!」
るな姉は「あっ!捕まえちゃうよ~!」と言って微笑んだ。
やっぱり、可愛い。

11.家の鍵と姫 Side薫
ぎゅっ
姫が一人でいるところに後ろから抱きつく。
「わっ!あぁ~薫さん!」
「1人で寂しそうだったから。」
「そうなことないですよ~?」
長くてきれいな姫の黒髪を撫でる。
「どうしたんですか?」
「ううん、別に。姫の髪の毛を愛でてるだけ。」
俺の言葉に、姫はふふっと可愛く笑った。
「姫の家の近くに大きなマンションがあるでしょ?俺、そこに住む予定なんだ。」
「へぇ~!じゃあ、いつでも会えますね!」
「ううん、坊やたちとのお遊びはもうやめて、俺のところに来ない?」
姫の耳にこそっと耳打ちをする。
「もう合鍵はつくってある。俺からもう、離れられないようにしてあげる。」
さっきよりも優しくぎゅっと抱きしめる。
「じゃあ、学校から帰ったらみんなで遊びに行きますね!」
やっぱり、可愛い。

12.楽しいホームパーティー
私たちは、1週間に1回私の家でホームパーティーをすることになったんだ。
お母さんとお父さんが金曜日だけお仕事から帰って来るのが9時になるから。その日だけみんなで遊ぶんだ。
ちなみに、薫さんは近くにできたばかりの高級マンションに住むことになった。最初は嘘かと思ったけどね。
「ごめんね。毎週来てもらってるのに、私の手料理だけで。」
私が小さな声で謝ると、みんなはふふっと笑った。
「なんで謝るの?」
みっちゃんが私の顔を覗き込んでいった。
「え?」
「知ってる?ここにいる男らは全員月ちゃんの手料理を求めて家からやってきてるんだよ?」
「私ごときの…手料理を?」
私の言葉に、蓮さんが少し私を睨んでいった。
「そうやって自分のことを言うな。そんなに自分をけなしたら、こいつらが可哀想だろ?」
た、確かに…。
「そんな事言われたら、自信持っちゃうなぁ…!」
「暗い空気なんてやめやめ!パーティー再開だっ!」
こはくんの大きな一言でまた盛り上がった。

13.かったはず。
「はい!月ちゃん、コレ食べて!」
凪くんに言われて、口を開けて食べる。
「んー!美味しいね!」
にっこり微笑んでいると、肩を叩かれた。
「月、こっち向いて。可愛いね。」
なんて、優くんが言った。
「ふふっ…嬉しいな…」
にっこり微笑んで言う。
「このあと、俺のマンション来る?」
「だ、大丈夫…!」
にっこり微笑んで言う。
最初は、楽しかったはずの日常。
だけど、みんなに月、月って呼ばれて。
私の時間なんてまるでない。
やっと家に帰ってきたと思ったら、みんなで家に押し寄せてくる。最近は、宿題にだって集中できない。
もっと、普通に女の子の友達がたくさんできる楽しい中学校生活を送りたかったのに。
「…んで…るの…。」
「ん?」
凪くんが下を向いている私の顔を覗き込んだ。
「また自分の料理に自信失くしちゃったの?」
「だから、月の料理は最高だって…」
「そんなんじゃないっ!」
私の多分初めてぐらいの大きな声に凪くんとみっちゃんは肩をビクッとさせた。
「ど、どうしたんだよ…?月。」
いつもは冷静な優くんも心配そうな顔をしていた。
「なんでみんな私についてくるのっ…!」
みっちゃんは眉をハの字にさせて私を見ていた。
「いつだって私の隣には6人がいる…!一人になりたい時も、一人にならせてくれない…。この気持ち、わかる…?」
私の目には涙が溜まって、視界がぼやけていた。
「私の願いはいつだって叶わない…。」
私は、ゆっくり玄関に近づいた。
「みんなと一緒にいるのは、つらいよ…。」
私は溢れてくる涙を手の甲で拭いて、こう言った。
「もうみんな…だいっきらいっ!!」
私は勢いよく玄関の扉を開けて、家から出た。
外は土砂降りの雨。それでも、走って…走って…走った…。

14.嫌いなんて Side琥珀
楽しくホームパーティーをしている時。
「…んで…るの…。」
「ん?」
望月が下を向いている月の顔を覗き込んだ。
「また自分の料理に自信失くしちゃったの?」
「だから、月の料理は最高だって…」
「そんなんじゃないっ!」
いつもとはぜんぜん違う大きな声に望月と如月は肩をビクつかせた。
「ど、どうしたんだよ…?月。」
いつもは冷静な月城も心配そうな顔をしていた。
「なんでみんな私についてくるのっ…!」
月…怒ってる…?
「いつだって私の隣には6人がいる…!一人になりたい時も、一人にならせてくれない…。この気持ち、わかる…?私の願いはいつだって叶わない…。」
月は、ゆっくり玄関に近づいた。
「みんなと一緒にいるのは、つらいよ…。もうみんな…だいっきらいっ!!」
月は勢いよく玄関の扉を開けて、家から出た。
そ、外は土砂降りの大雨なはずっ…!!
「ま、待ってっ!」
望月が、月のことを追いかけようとしたが、遅かったことに気がついたのか途中で諦めた。
る、月…。
何があったんだよ…。
「みんなで、姫のことを探しに行こう…!」
いつもは生意気なあの氷月とかいう月のいとこが言った。
でも、今は氷月の言葉に反対できない。
それに、月が原因で喧嘩をすることは月にとって嫌なはずだ。
「僕は、繁華街の方行ってくるね!」
「じゃあ、俺は学校の方行ってくる。」
「俺は、となり町の月の祖母のところに行ってくる。」
「俺は、近くの公園回ってくる。」
「じゃあ僕は…えぇっと…るな姉のこと探しに行くっ!」
そう言って、みんなが外に出ようとした。
「待て。」
みんなが俺の方を向いた。
「誰かが、月を見つけたら連絡してほしい…。」
いつもは威張っている俺だけど、自分から何かをお願いすることは希にもなかった。
トンと、肩に手がのった。
「何言ってるんだよ。」
「狼月くん、僕たちのことそんなに嫌な奴らだと思ってたの?もちろん、月ちゃんのこととなったら負けないけど、今は協力すべきところだって、ちゃんとわかってるから。」
そう言って、そいつらは走って家を出ていった。
「ふっ…生意気なやつ…。」

15.言わなきゃよかった
お金もスマホも何も持ってない…。
となり町のおばあちゃんちでも行こうかな…。
お金がないから、歩いていくことになるけど。
はぁ…服濡れちゃったなぁ…。
傘だけでも持って来ればよかった。
「ねぇねぇお嬢ちゃん。」
肩をトントンと叩かれる。
「あなた…誰、ですか…?」
首元には龍のタトゥーが入っている男性が3人。
「いい子にしなよ。お嬢ちゃん、可愛いから誘拐したらご両親さんからいいお金がもらえそうだな~。」
わ、私のことを…誘拐するつもり…?
「いやっ…!」
でも、どれだけ抵抗しても、こんなにガタイのいい男性になんて、勝てるわけがないってことがわかる。
あんなこと、言わなきゃよかった…。
みんなは、私のことが好きでああ言う事してくれているのに。私はそれに気づかなかった。
喧嘩なんて、しなきゃよかった…。
暗い大雨の中で人影が見えた。
「お前ら…俺の宝物に何してんの?」
聞いたことのある声…。
「あ?ぁ??やんのか?クソガキ」
その彼は、男性の声なんかに怯まずにポケットからスマートフォンを取り出した。
そして、スマホを操作したあと、どこかに電話をかけた。
「…俺だよ。君のところの下っ端が命よりも大切な宝物に触れようとしている…。意味、わかるだろ?1分以内に片付けろ。じゃないと…何があるかわかってるだろ?」
ど、どういうこと…?
というか…彼は誰…?
口調は怖かったけど、安心できるような優しい声に聞こえた。
キキィ
急に路地に車が止まったかと思ったら、下りてきた少しメタボな60代ほどの男性が凄まじい速さで頭を地面に擦り付けた。
「おい。遅いんだけど。」
「も、申し訳ございませんっ!私の下のものが勝手なことをしてしまいっ…!!管理不足でありましたっ!!しっかりと叱りつけておきますので、お見逃しくだされっ!!」
「お前のこの先の未来はないが…今回は見逃してやる。次やったらこんどこそタダじゃおかないからな。さっさと消えろ。」
彼の一言で、その男性はペコペコ頭を下げながら帰っていった。
「あ、あのっ…!さっきは…ありがとうございましたっ!」
私は彼に大きく頭を下げた。
「え?月ちゃん?」
この呼び方にこの声は…。
「もしかして…凪くん…?」
前髪で見えない顔を覗いてみる。
「うわぁぁぁぁん!あのおじさんたち、怖かったよぉ~!」
そう言って泣きながら抱きついてきた凪くんに微笑みながら頭を撫でて考えた。
あの人たち…ヤクザとか…そこらへんだよね…?
ってことは…あのヤバそうな人たちを凪くんの一言で…。
考えるのは怖そうだから、ここらへんでやめておこう…。
「とりあえず、凪くんが無事で良かったぁ…!」
私の言葉に凪くんは目に涙を溜めながら微笑んだ。
「月っ!」
「るな姉!大丈夫?」
5人が走ってきてくれた。
「蓮くんに優くんにこはくんにみっちゃんに薫さんも!」
みんなは心配そうな反面嬉しそうな顔で近づいてきた。
「月、大丈夫だったか…?」
「望月くんに、ヤクザに絡まれてるっていう連絡が来て僕、心配しちゃったよぉ…!」
みんなの心配に私は本当の笑顔で微笑んで笑顔で答えた。
「ヤクザ?みたいなのに絡まれちゃったんだけど、凪くんが現れて、電話…」
そこまでいうと、凪くんが口パクで「ダメ!」といいながら私の口を塞いだ。
「で、電話で観月くんたちに連絡したあとに僕がヤクザさんたちを説得したって言おうとしたんだよね~!ねっ!(圧)」
あっ、さすがに電話一本で土下座させたっていうのはやばいよね…。
「う、うんっ!そ、そうなのっ…!」
みんなは怪しそうにしているけど、なんとか納得してくれたみたいっ…。
「あっ、そうだ…。さっきは、怒って勝手に出ていっちゃってごめんなさい…。」
私は、みんなの前で深く頭を下げた。
「いや、俺の方こそ悪かった。でも、月が無事で何よりだ。」
いつもは静かな蓮くんも微笑んでいった。
「ああ。月の気持ちに気付けなくてすまない。月があいつらに何もされてなくてよかった。」
優くんも頭を撫でていった。
「月ちゃんのこと、僕が一番に見つけてあげたんだよ!」
凪くんだけがなんか違うことを言っているような気がするけれど、もう一度「ありがとう」と伝えた。
「俺、なにも活躍できなかった…。でも、月が見つかって本当に良かった。」
こはくんは照れくさそうに言った。
「るな姉のつらいのに気づいてあげられなくてごめんね。これからはいつもよりもちゃんとるな姉のこと見るようにするね!」
ニッコリ微笑んでみっちゃんが言った。
「ホントに姫が無事で良かったよ。これからは、ちゃんと俺を頼ってね。」
やっぱり、薫さんは優しいな。
「これからも、よろしくねっ!」
私たちは、虹がかかった夕暮れのしたで歩いて帰った。
                       END

16.運命の糸?
「来月の10日に体育祭がある。」
そう、先生に言われた。
「あらかじめ測っておいた50m走で普通の200mと借り物競争と障害物競走の順番を決めておいた。男女別だ。」
そう言って先生は、自分のバインダーを見ながら話し始めた。
「5番走者、姫里、松岡、城、平澤。」
松岡 ユナちゃんと城 ミナちゃんと平澤 メイアちゃん。
先生が選んだんだから大丈夫だとは思うけど…一番はユナちゃんが心配…。
ユナちゃんはバスケやってるし、ミナちゃんは去年走るので勝って「もう何も負けない!」って言われたし、メイアちゃんはメイアちゃんでなんでもできるし…。
「7番走者、観月、月城、望月、狼月。なんだが…実は2年と1年が一気に走ることになっている。そこで、1年の如月 湊という男子がダントツで早すぎるし、1年の人数的にも余っているんだ。そこで、2年の男子に入ることになってな。同じぐらいのタイムだから大丈夫だ。だから、練習のときは、この4人に如月が入るからそのつもりで。」
えぇ…!
やっぱり、みんなって運命の糸でもあるのかな?
ふふっ…!
「次は借り物競争。まず男子から。1番走者はさっきと同じく観月、月城、望月、狼月。だが…やっぱり、1年と同じのをやっているから、1年が余ってな。そこで結局如月も入ることなった。同じですまないが、見逃してくれ。」
えぇ…!ホントに…?
本当に運命の糸があるんじゃない…?

17.借り物競争大惨事
「これから、令和9年度、西中学校、体育祭を始めます。」

「続いては、1年生、2年生合同の借り物競争です。」
次、7番走者だから、蓮くんと優くんと凪くんとこはくんとみっちゃんだ!
5人が一緒に私に手を振る。
誰に返せばいいのかわからなくて、苦笑いしながら一人ずつに手を振った。
「よーい…スタート!」
ピストルの合図でみんなが走り出す。
『さあ、走り出しました!実は、一番左側の男子は1年生!でも、ダントツで足が速いらしく、2年生のチームに入っているという、最強男子です!』
さすが、みっちゃん…!
『お題の紙があるところにつきました!彼らはどんな借り物をするのでしょうか?』
みんながお題を確認して走り出す。
あ、あれ…?みんな…私の方走ってきてる…?
な、なわけ…ないよね…!
「月ちゃんは僕のもの!」
「お前なんかに取らせるかぁ!!」
あ、予想当たってた…。
こ、ここは…逃げるのみっ!
私は、テントの後ろから走って逃げる。
「ちょ、ちょっとまって月!」
私は全速力で逃げる。
『おぉっと!男子たちはみんな一人の女の子を狙っているようです!…ですが…超足が速い男子たちよりも…女の子のほうが速いようですっ!なんとなく、女の子のほうを応援してしまいますっ!』
私は、ゴールテープを切った。
そして、蓮くんたちも一列になって一緒にゴールをした。
『えぇっと…一位は女の子ですっ!』
え、えぇ…?!
『ええ、では走者にお題を聞いてみましょう。では、君!』
マイクが蓮くんの方に向けられる。
『俺は、世界でいちばん大切なものっていうお題だ。』
『俺は、好きな子、だ。』
『僕は、守りたい人!』
『俺は、将来の彼女。』
『僕は…学校のプリンセスっ!るな姉は、僕だけのプリンセスだけどね!』
蓮くん、優くん、凪くん、こはくん、みっちゃんの順でマイクが渡される。
『この、月さんという方は本当にたくさんの男の子たちに公開告白されるほど愛されているんですね!』
公開告白…?実況者さんの専門用語とかかな?
わからなかったけど、『はいっ!』と大きな声で返事をした。

18.障害物競走大惨事
『つづきましては障害物競走です!』
1番走者が、蓮くんたちの競技だ!
「頑張れ~!」
応援席で声を張り上げる。
『第一走者は、さきほどのチーム公開告白!なんと、早すぎて他に合う人がいなく、同じレースになったようです!』
やっぱり、公開告白ってわからない…。
「よーい…スタート!!」
前から順に、蓮くん、こはくん、凪くん、優くん、みっちゃんだ。
「最初は、サッカーボールのドリブル!」
ここで、蓮くんが手こずって、3番目になった!
あっ…!優くんが一番に来た!
みっちゃんも追い上げてる…!
『最後は、運びコーナー!友達でも恋人でも親御さんでもいいので、誰かを担がないとこのコーナーはクリアできません!』
コーナーのとなりには1年生の男の子が数名立っている。
わざわざ誰かを連れて行きたくない人は、その男子を連れて行ってもいいんだ。
みんな、多分この男子を連れて行くだろう。
そう、思っていたのに…。
「さっきと同じ光景…。」
みんなが全速力で走ってきてる…!
みんなが私の前で止まった。
「僕がるな姉のこと連れてくから!」
「いやいや、俺が月のことを運ぶ!」
「ここは僕でしょっ!」
え、えぇ…!どうしよう…。
「じゃ、じゃあ、ここはじゃんけんっていうのはどう…?」
一番平等そうな案を提案する。
「最初はグーじゃんけん…ポイ!」
出したのは…みんなグー?!
「あいこでしょ!」
「あいこでしょ!」
何度やっても結果は変わらない…。
「こんなんじゃらちがあかない!」
「じゃあ…みんなで行こう!」
優くんの提案にみんながうなずいた。
え…みんなで行くって…もし、かし、て…。
「えぇぇぇ…!」
みんなで私のことを担ぎ上げる。
胴上げみたいになってる…!
『今度もあの愛されプリンセス・月さんがいます!』
そのままみんなでゴール。
今回は、みんなが一位みたい。

19.大事故!マイクジャック事件?!
『つづいては、2年生の女子200mです。』
私の番だ!
入場門から、スタートラインに進む。
「よーい…スタート!」
2年生の応援席を見ると、そこには蓮くんも優くんも凪くんもこはくんもみっちゃんも、誰もいなかった。
みんな、見てくれると思ったのになぁ…。
「よーい…スタート!」
2つ前の列がスタートした。
『赤!赤がリードしています!!』
アドリブであんなに実況できるなんてすごいな…。
そう思って、実況席を見る。
えっ!?
じ、実況席に…蓮くんたちがいる?!
な、なんで…?
あっ、次は私たちの番だ…!
「よーい…スタート!」
私は全力で走り出した。
200mだから、校庭1周。
スタートから一番前を走ってる!
『おぉ!月が一番前にきました!』
『月、世界一可愛いですっ!』
凪くんたちの声が聞こえた。
えぇ…!
なんかみんなに実況されてるよぉ…!
でも、後ろからみんなが追い上げてきた。
ユナちゃんミナちゃんメイアちゃん私の順になってる…!
あっ!
運動靴の紐が足に引っかかった!
つまずく!
すると、レースの道の付近に立っていた男の子が受け止めてくれた。
「あっ、ありがとうっ!」
私は走りながらも感謝の気持を伝えた。
『ちょっとちょっと!』
凪くんのマイクの声が聞こえた。
『おい、さっき転びそうになった月を受け止めたそこの男子。ちょっとあとで裏に来い。イイコトしてやるよ。』
蓮くんの冷静で低い声が聞こえる。
あぁ…!蓮くんの怒ってるときの声だっ…!
なんて思ってる場合じゃない!
最下位はやだぁ…!
『失礼しました!少しお邪魔が入りました!私の実況で続けてまいります!赤が一番リードしています!ミラクルでも起こらない限り白の逆転勝利にはなりません…!』
あれ…。蓮くんたち、いなくなっちゃったのかぁ…。
なんて思ってたら。
私の前を走っていたメイアちゃんが数m先で止まっていた。
どうしたのかな?大丈夫かな?
そう思って、走ってメイアちゃんの方に行く。
「メイアちゃん!大丈夫?」
「そうじゃなくて…イケメン…すぎるの…」
イケメンすぎる…?誰が…?
すると、また数m先にも2番目を走っていたユナちゃんが座り込んでいた。
「ユナちゃんも、どうしたの?」
「イケメン…すぎて参っちゃったの…」
イケメンすぎる…?
するとまた数m先にも一番前を走っていたミナちゃんが座り込んでいた。
「ミナちゃんまで、大丈夫なの?」
「大丈夫だけど…イケメンすぎる…から…」
するとミナちゃんは「きゃー!」と顔を赤くさせながら下を向いてしまった。
「イケメンすぎるって…どういうこと…?」
「るーなちゃん!」
私の隣には、蓮くんたちが立っていた。
「速くゴールしちゃいなよ。」
優くんの言葉に今は競技中だったことを思い出した。
「あっ、確かに!」
私は数m先のゴール地点まで走った。
「ゴール!」
『白の大逆転劇です!』

エピローグ
「体育祭、楽しかったね!」
「うん!月ちゃん、大活躍~!」
帰り道、私たちは体育祭の話で盛り上がっていた。
「来年も、こうしてみんなで一緒に帰りたいね!」
私の言葉にみんなは少し悲しそうな顔をして下を向いた。
(((((2人だけがいい…)))))
「どうしたの?」
「う、ううん!なんでもないよ!」
「俺たちも一緒に帰りたいなって思ってただけ!」
「なら、いいんだけどね!」
こうして、体育祭という波乱の幕が閉じた。
                     END
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