地味なカフェ店員ですが一夜の相手が社長で溺愛されています
デザートの皿が下げられ、テーブルの上に静けさが戻る。

グラスの中で、ワインがわずかに揺れていた。

その向こうで、悠生さんがゆっくりと視線を上げる。

さっきまでと同じ穏やかな表情のはずなのに、どこか空気が変わった気がした。

「……少し、よろしいですか」

改まった声に、思わず背筋が伸びる。

「はい……」

頷くと、彼は一度だけ息を整えるように間を置いた。

そして、まっすぐに私を見つめる。

「初めてあの店に入った時から、咲さんのことが気になっていました」

その言葉に、胸が小さく跳ねる。

「毎日通うようになって、コーヒーを淹れる姿や……人への接し方を見て」

静かに続けられる声は、どこまでも落ち着いているのに。

一言一言が、まっすぐ胸に届く。

「あなたの人柄に惹かれていきました」
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