地味なカフェ店員ですが一夜の相手が社長で溺愛されています
――この人となら、大丈夫。

そう、心から思えた。

きらめく街の灯りの中で。

私たちの未来が、静かに始まった。

それからの毎日は、静かに、でも確かに変わっていった。

朝、目を覚ますと、隣に悠生さんがいる。

「……おはようございます」

まだ少し眠そうな声でそう言うと、彼は穏やかに微笑む。

「おはよう、咲」

そのやり取りが、もう当たり前になっていることが、不思議で、嬉しい。

キッチンに立てば、自然と二人分の朝食を用意するようになった。

コーヒーを淹れると、あのカフェと同じ香りが部屋に広がる。

「やはり、あなたの淹れるコーヒーが一番ですね」

そう言ってもらえるたびに、胸が温かくなる。

昼は、それぞれの場所で過ごしても。

夜になれば、また自然と隣に戻る。

「お疲れさまでした」
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