透明な推しと絶望さん
『透明な推しと絶望くん』



蓮は私の一番の推しのアイドルで、


だけど、ある日、突然いなくなった。


でもあの日、私が君に出会えなかったら。


いまごろ、何をしていたのかな?


「蓮、ほら見て。空がキレイ」


私はたくさんの星が並んだ空を指差す。


「……」



蓮はもう答えない。

だけど、代わりに涙がひとつこぼれた。

唇が震えている。


私はしゃがんで、蓮の前に座った。


「蓮の手、暖かいね」


蓮は震える手をゆっくりと動かして、


私の手のひらの上に乗せた。


『さくらも、暖かいね』


まるで、そう答えるように。


口をパクパクする蓮


温もりが重なる。


「連……私と出会ってくれてありがとう。生きていてくれてありがとう」



蓮の口だけが開く。


何を言ってるかは声がなくてももう伝わる。



『さくらが、好き』



「私もだよ」




見上げた空に星はいつまでも瞬いて、私たちを見守っていた。



今から、話すのは


これは私と蓮の、たったひとつの恋の始まりの話ーー


つづく
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