万華鏡は月を巻き戻す
「黒木先生、湯浅さんですが心電図確認してもらってもいいですか?」
「うん。」
蓮水先生は受け取った紙を手早く広げ、波形を目で追う。
淡い蛍光灯の光が、心電図の細い線を白く照らしていた。
「一応、今晩はモニターつけておいて。」
「わかりました。」
「うん、よろしくね。」
紙をそっと折りたたみ、看護師に手渡す。
「黒木?」
「あれーもしかして知りませんでした?
黒木院長の息子さんなんですよ。」
「でも蓮水先生って…。」
「あー、母方の旧姓なんだ。
同じ病院で働くと黒木院長の息子だって特別視されるのが嫌でね。」
蓮水先生いや黒木先生が笑う。
「へぇ…。」
あれ、待って。これもしかして。
私の中で警報が鳴る。
「じゃあ私湯浅さんのところ見てきます。」
看護師さんが去って行った。
待って!声を出す前に、走馬灯のように映像が流れる。
過去?
夏祭りの日、私はさっくんに会いに行こうとした。
りんご飴を持って。
だけど、お爺ちゃんが危篤と連絡が来た。
そうだ目の前の黒木 巧先生。
『君を殺すよ。
僕の中で永遠になる。
言い残すことはある?』
そう言われた。
だけど私は…
『私のこと好きだから殺すんですよね。
ならお願い一つきいてください。
私の腎臓をさっくん…七瀬 朔に移植してください。』
そうだ。
それで私は首を絞められて殺された。
それから私の腎臓は…黒木巧の手で取り除かれた。
まるで宝物を扱うみたいに。
プレゼントのようにさっくんに届けられた。
そして、その腎臓が…朔に。
黒木雅信院長の手で移植された。
「うん。」
蓮水先生は受け取った紙を手早く広げ、波形を目で追う。
淡い蛍光灯の光が、心電図の細い線を白く照らしていた。
「一応、今晩はモニターつけておいて。」
「わかりました。」
「うん、よろしくね。」
紙をそっと折りたたみ、看護師に手渡す。
「黒木?」
「あれーもしかして知りませんでした?
黒木院長の息子さんなんですよ。」
「でも蓮水先生って…。」
「あー、母方の旧姓なんだ。
同じ病院で働くと黒木院長の息子だって特別視されるのが嫌でね。」
蓮水先生いや黒木先生が笑う。
「へぇ…。」
あれ、待って。これもしかして。
私の中で警報が鳴る。
「じゃあ私湯浅さんのところ見てきます。」
看護師さんが去って行った。
待って!声を出す前に、走馬灯のように映像が流れる。
過去?
夏祭りの日、私はさっくんに会いに行こうとした。
りんご飴を持って。
だけど、お爺ちゃんが危篤と連絡が来た。
そうだ目の前の黒木 巧先生。
『君を殺すよ。
僕の中で永遠になる。
言い残すことはある?』
そう言われた。
だけど私は…
『私のこと好きだから殺すんですよね。
ならお願い一つきいてください。
私の腎臓をさっくん…七瀬 朔に移植してください。』
そうだ。
それで私は首を絞められて殺された。
それから私の腎臓は…黒木巧の手で取り除かれた。
まるで宝物を扱うみたいに。
プレゼントのようにさっくんに届けられた。
そして、その腎臓が…朔に。
黒木雅信院長の手で移植された。