万華鏡は月を巻き戻す
ゴールデンウィーク初日。
私は朔と一緒に、いつものパン屋へ向かった。
「こんにちは!」
「お、羽瑠ちゃん。いらっしゃい。
メロンパン好きだねぇ。はい、これおまけ。」
「わー、いつもありがとう。」
「ん?そっちの子は初めて見るね。」
「こんにちは、羽瑠の彼氏です。」
朔はしれっと、しかし完璧な微笑みで言い切った。
その自然さに、私も“今回はそれでいく”と腹をくくる。
もし相手が私に執着しているなら、
嫉妬で何かしら反応を見せるかもしれない――朔はそう言っていた。
……とはいえ、相手はおじさんで、しかも妻子持ち。
そんな都合よくいく?と半信半疑だったけれど。
その瞬間、及川さんの表情が、ほんのわずかに歪んだ気がした。
「あ、そ、そうなんだ。
わ、若いねぇ……。」
動揺を隠しきれない声で、パンを差し出してくる。
その手が、かすかに震えていた。
私は朔と一緒に、いつものパン屋へ向かった。
「こんにちは!」
「お、羽瑠ちゃん。いらっしゃい。
メロンパン好きだねぇ。はい、これおまけ。」
「わー、いつもありがとう。」
「ん?そっちの子は初めて見るね。」
「こんにちは、羽瑠の彼氏です。」
朔はしれっと、しかし完璧な微笑みで言い切った。
その自然さに、私も“今回はそれでいく”と腹をくくる。
もし相手が私に執着しているなら、
嫉妬で何かしら反応を見せるかもしれない――朔はそう言っていた。
……とはいえ、相手はおじさんで、しかも妻子持ち。
そんな都合よくいく?と半信半疑だったけれど。
その瞬間、及川さんの表情が、ほんのわずかに歪んだ気がした。
「あ、そ、そうなんだ。
わ、若いねぇ……。」
動揺を隠しきれない声で、パンを差し出してくる。
その手が、かすかに震えていた。