ダウナーちゃんは死にたがり
ふっ、と浮かぶ無表情な顔。
少し⻑い前髪。
眼鏡の奥の、静かな⽬。
『今年⼀年、俺に頂戴。』
『死ぬなら、俺が飽きてからにして。』
『俺、まだ飽きてないから。』
平坦な声なのに。
どうして、こんなにはっきり思い出せるの。
伊織の指先が、窓枠を強く掴む。
もし今、落ちたら、あの⼈は。
三⽇、寝不⾜。
おまけに、屋上に来るたび、伊織を思い出す。
煙草の⽕をつけながら、少しだけ⽬を細めるのだろう。