皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
アレン様と私は以前私が使っていた部屋で今夜は休む予定だ。

侍女たちが換気を行い、手入れをしてくれていたおかげで以前のようにとても綺麗だった。

周囲を物珍しそうに見回る彼を見つめる。

まさかこの部屋でアレン様と過ごす日がくるなんて、両親と暮らしていた頃は考えもしなかった。


「キラナは俺と砦で初めて会った日に運命が決まったと思っている?」


窓際に立った彼が振り返って、唐突に問いかける。

運命の話を突然振られて驚く。

アレン様を私が運命で縛ったのだと悩んでいたことについて、屋敷へ向かう道すがら少しずつ話していた。

どうしてそう考えたのか、なにに申し訳なさを感じ、後ろめたかったのかを説明し、それでもアレン様をあきらめきれなかったと正直に告げた。

アレン様は最後まで急かさずに聞いてくださり、一瞬苦しそうに整った容貌を歪め、私を抱きしめた。

そして驚くことに、私の父から私について聞いていたと教えてくれた。


『魔湖でも言ったが、運命だから恋情を抱いたわけでも、強制力が働いているわけじゃない。信じてほしい。キラナとの結婚は誰より俺が切望し、選んだ』


揺るぎのない目で力強く語るアレン様の気持ちが嬉しかった。
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