気がついたら天才心臓外科医と婚約していました

キャリーケースを転がしながら、どこへ行こうかと思案する。

実家へ戻ろうか。

でもあんなに広大さんを歓迎してくれた両親に、どう顔向けをしたらいいのか。

三也子の家へしばらくお世話になろうか。

でも三也子にだって、やっと広大さんとの仲を認めてもらったのだ。

それなのに、今更別れたなんてとても言える気がしない。

私は行く当てのないまま、『cafeあきたこまち』に入り、特大クリームましましチョコバナナパフェを注文した。

小町店長が注文の品をすばやくテーブルに届けてくれた。

閉店間際だからか、店の中にはもう私しかお客さんがいない。
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