気がついたら天才心臓外科医と婚約していました
親父は2年前に現役を引退したはずだ。
「1ヶ月先までの予約を調べてみたが、そこまで難しいオペは入っていない。おまえ、休暇を取って都さんと新婚旅行に行ってこい。」
「親父の腕を信じていいのか?」
「馬鹿にするな。俺だってまだ若いものには負けん。」
「医療事故を起こして、ニュースにならないでくれよ?」
「いざとなったら、近くの病院で懇意にしてる医師を手配する。」
それなら安心だな。
結婚したものの長い休みが取れず、いまだに都をハネムーンに連れて行けていない。
本音を言えば、親父の申し出は有り難かった。
「わかった。有給を取らせてもらう。」
「ハネムーンベビーを期待しているからな。ぼんくらなおまえのことだ。こんなきっかけでもなければ、子供を作れないだろ。」
「子作りなら、毎晩している。」
「なに?お前も成長したな。」
そんなことで褒められても嬉しくないが、親父の心遣いに俺の口元が緩んだ。