気がついたら天才心臓外科医と婚約していました
私の問いに、広大さんはためらいがちに答えた。
「父親が波川総合病院の院長をしている。母親は専業主婦。兄弟はいない。俺は・・・出来れば妻には家にいて欲しい。俺は仕事が忙しくてなかなか家のことを手伝えないと思う。子供は好きだ。だからこそ淋しい思いをさせたくない。」
「そうですか。」
早くも、ふたりの未来は決裂だ。
この仮交際は終了するしかない。
広大さんとの関係もここまでだ。
思いがけなく大きな痛みが胸に走る。
私としたことが、こんなに価値観の違う男を諦められないでいる?