極上パイロットの一途な執愛
 今回は切り抜けられたけれど、これからも蒼真さんに話しかけられることが続けば、父という口実だけでは信じてもらえなくなるだろうな。

 蒼真さんは私のことなんて愛していないくせに、なにを考えているんだろう……。
 彼の言動が理解できなくて、頭がパンクしそうになる。

「あー、もう! こういうときは、現実逃避するしかない」

 自分に言い聞かせるように叫んで、ベッドから体を起こす。そして、枕の横に積み重なっている漫画の本に手を伸ばす。

「悩んだり落ち込んだりしたときには、漫画を読むにかぎる!」

 そう言いながら開いたのは、大好きな漫画の中でも特にお気に入りの一冊。

 それまでぶつかり合ってばかりいたパイロットのヒーローとCAのヒロインが、初めて一夜をともにするシーンだ。

 まだお互いに気持ちを伝えあっていないのに、衝動的にキスをしてしまうふたり。

 こんなことしちゃだめなのにと必死に理性を奮い立たせようとするヒロインと、独占欲むき出しで彼女を求めるヒーローが、切なくて色っぽくてそしてエッチで、読んでるだけできゅんきゅんしてしまう。

「やっぱり、漫画の中の恋愛って最高……っ」

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