極上パイロットの一途な執愛
 蒼真さんはそう言いながら、整った顔に綺麗な笑みを浮かべる。

「そんな、わざわざ調べるなんて、おおげさだろ!」
「俺は嫉妬深くて心が狭いから、妻に言い寄る男はとことん追い詰めて潰しておきたいんだ」

 穏やかな口調なのに、込められた圧がすごい。奥村さんが「潰すって……」とさらに顔を青くする。

「嘘をついて愛里を誘ったことを一生後悔するくらい思い知らせておかないと、気がすまないんだよね」

 冷静な口調から、冗談ではなく本気だと伝わってきた。奥村さんはあせったように、「す、すみません!」と頭を下げる。

「もう、香坂さんを誘ったりしませんからっ」

 謝罪する奥村さんを見ても、蒼真さんは表情を変えなかった。

「そんなことは当然だろ」

 淡々と奥村さんを追い込んでいく様子は、王子様どころか悪魔にしか見えない。

 ふたりのやりとりを見ていた私は、誰、この人……と心の中でつぶやく。

「さ、誘わないのはもちろんですし、今後一切声をかけませんし、視界にも入らないように気を付けますから、だからどうか会社と妻には……」

< 120 / 163 >

この作品をシェア

pagetop