極上パイロットの一途な執愛
 できるならこの先もずっと、一緒にいたいと願ってしまうくらい。
  
 だけど……と、自分の胸もとをぎゅっと握りしめる。

 蒼真さんは、結婚して一年で妊娠しなければ違う相手を探すというご両親の条件を、最初から知っていた。

 今更、私が離婚したくないとわがままを言えば、蒼真さんを困らせてしまうだろう。
    
 ちゃんと覚悟を決めなきゃ……。

 ぎゅっと手を握りしめ、そう自分に言い聞かせた。
    
   

 

 早番の勤務を終え自宅に帰ると、蒼真さんが家を出るところだった。

 玄関で鉢合わせてしまい、私は思わず動きを止める。
  
 もう少し時間を潰してから帰ってくればよかった……と心の中で後悔しながら視線をそらした。
  
 ここ最近、勉強したいことがあると言って部屋に閉じこもったり、外出を増やしたりしていたから、蒼真さんと顔を合わせるのは数日ぶりだ。

「そ、蒼真さん。これから出るところだったんですね」

 ぎこちなく言いながら靴を脱ごうとすると、「愛里」と低い声で名前を呼ばれた。
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