極上パイロットの一途な執愛
 そういえば、今週配信された最新話もすごくおもしろかった。ヒロインが同僚の男性と歩いているのを見たヒーローが、独占欲むき出しで牽制するのがかっこよくて……。
 なんて思っていると、彼がふとこちらを見た。

 到着ロビーはたくさんの人であふれているのに、蒼真さんはすぐに私に気付いたようだ。
 彼は一緒にいた乗務員たちから離れ、こちらに向かって歩きだす。

 え。もしかして、私のところにやってくるんじゃ……。

 その予感は的中し、蒼真さんは私の前まで歩いてくると足を止めた。

「愛里、お疲れ様」

 彼が私の名前を口にした瞬間、周囲の空気が凍り付いた。
 さっきまで彼と一緒にいたCAたちの視線が、いっせいに私に集まる。

 蒼真さんはすべての人に分け隔てなく優しい。だけど、社内の誰かと個人的に親しくしているという話は聞いたことはないし、女性社員を下の名前で呼んでいるのを見たこともない。

 そんな彼が、わざわざ私に話しかけてくるなんて、変な誤解をされるのでは……っ。

 女性たちの鋭い視線を感じながら、あせりで背筋に汗が浮かんだ。

「え、あ……、お疲れ様、です……」

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