Blue Forest
その言葉にクララの肩が跳ねる。本当のことを話すわけにもいかず、クララは嘘を吐いた。

「そんなところよ」

クララがそう答えると、男性は少し口を閉ざした後に名前などを名乗った。彼の名はオスカー。この森のすぐ近くにある村に住んでいて、この森には貴重な薬草を取りに来たらしい。

「うち、裕福な家庭じゃないからさ。貴重な薬草を売ればそれなりのお金が手に入るだろ?薬草を探してたら崖から落ちちゃってさ。もう死んだかと思った。本当にありがとう」

オスカーの口調は優しい。クララの胸がジワジワと温かくなっていく。初めての感覚にクララは戸惑いを覚えつつ、口を開いた。

「怪我が治るまではうちにいなさい。そんな怪我じゃ、森から出る前に熊に襲われて死ぬわ」

「う〜ん……。確かにそうかも。お言葉に甘えるよ。えっと……」

この時、クララはまだオスカーに名前を名乗っていなかったことに気付いた。すぐに「クララよ」と言う。オスカーは何度もその名前を言った。
< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop