Blue Forest
オスカーはかなり動けるようになってきた。もうそろそろこの森を出てもいいだろう。そう考えるとクララの胸がズキンと痛くなる。

(オスカーが村に帰るのは、間違ってなんかない。家族と一緒に暮らした方がいい。それに彼には、大切な人がいる)

そう何度自分に言い聞かせても、オスカーが帰り、この家に一人残された自分を想像するだけでクララは悲しさを覚えてしまう。これほど悲しいのは、両親が死んでしまった時以来だ。

「次は何したらいい?掃除?」

「オスカー、怪我はまだ完全に治ってないんだから無理しないで」

「クララだって、目が不自由でしょ」

オスカーの発した言葉に、クララは一瞬口を閉ざした。オスカーはクララの嘘を信じている。今は人のフリをしていることも、目のことも、何もかも。

「私はずっとこうだから慣れてる」

「でも、今は俺はお世話になってる身だしさ。何かしたいんだよ」

オスカーは嘘を吐かない。そのことが余計にクララの心を揺さぶった。
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