想い出はいつも雨
かおり「でもじゃない。終わり良ければ、すべて良しって言うでしょ。修治は美咲に用があって、私が呼んであげた。それでいいじゃない。ほらほら、愛しの女神様が戻って来たわよ」

美咲がタオルを持って戻って来る。

美咲「ごめんね、修治君、待たせちゃって。寒かったでしょ?」

修治「全然、これぐらい平気ですよ」

かおり「そうそう。こいつバカだから、これ ぐらい平気、平気」

美咲「かおり」

かおり「そんなに怒らない。冗談なんだから。じゃあ後は頼んだわよ。あの子、甘えん
坊だから、ねぇ、女神様」

美咲「えっ」

かおり、二人の間を通り立ち去る。

○同

修治、椅子に座り、タオルで体を拭いている。

横に美咲がいる。

美咲「ごめんね」

修治「全然、平気です。だから気にしないで下さい」

美咲「ううん、そうじゃなくて、かおりの事」

修治「・・・ああ」

美咲「本当はあんな子じゃないから。ちょっと口が悪い所あるけど」

修治「分かってますよ。俺、気にしてないから」

美咲「本当?」
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