総長は、私にだけ甘すぎる。
「どうして?」

咲良の声はほとんど消えかけている。

黒崎蓮はゆっくり目を開ける。

そして、初めて“本音”を落とす。

「……お前を失ったのは、一度で十分だ」

その言葉に、咲良の心が揺れる。

それは突き放す言葉じゃなくて。

誰よりも怖がっている人の声だった。
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