恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
 湾岸線を走り、首都高に入る。そこを下りると、車は都内にある閑静な住宅街の中へと入っていった。

 この辺りは、一軒一軒の敷地がやたら広い。そんなことを思っていると、目の前にどんとそびえる四階建ての建物が見えた。

 あれが、宇田川病院だ。昨夜、インターネットで調べたから間違いない。

 宇田川先生は、その手前にある大きなお屋敷の前で車を一度停めた。車を降りてインターフォンを鳴らすと、その隣にあったアイアンゲートがゆっくりと開く。

 宇田川先生はすぐに車に戻ってきて、そのままゲートの中へと車を移動させる。やがてその先の石畳に車を止めると、彼は車のエンジンを切った。

「お疲れ様、着いたぞ」

 彼は自身のシートベルトを外す。
 だが、私は動けなくなってしまった。車のフロントガラスから見上げたお屋敷の大きさに、圧倒されてしまったのだ。

 ここが、宇田川先生の実家……。

 高級住宅街の一等地。しかも、豪邸。和モダンな見た目でおしゃれなうえ、横幅も奥行きもすごそうだ。

 改めて、彼が大病院の息子なのだと思い知らされる。
 私は本当にこの人と結婚生活を、しかも愛のない偽装のそれを、やっていけるのだろうか。

 怖気づいていると、助手席の扉がぱっと開く。

「ドアの開け方、わからなかったのか?」

 それではっとして、慌ててシートベルトを外した。

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