ぼくと世界とキミ

使用人が用意してくれた部屋に入ると、置いてあった黒いソファーにドサッと腰を下ろした。

「ってか、《証》を持ってる人がメルキアにいないんだったらどうなるんだよ?俺の力、解放されないって事か?」

ソファーに背をつけたまま問い掛けると、セリアは神妙な顔をして俺の隣に腰を下ろした。

「《証》が存在しないなんてありえないよ。それに私……あの人が何か隠している気がする」

そうセリアは小さく呟くと、何かを考える様に腕を組む。

……確かにカインの態度は気になった。

それにカインに《証》が無いのだとしたら……一体、誰に?

「……うん」

小さく頷いて返す俺の隣で、同盟を破棄されないか気が気ではないジルが、頭を抱えながら大きく溜息を吐いた。
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