第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
 千咲は真田に頭を下げた。

「よろしくお願いします」
「お任せください。確実に対応するために、いくつか確認させてください」
「はい。記事の内容は全て誤解です。実は……」

 千咲は駿介との関係と、居酒屋で再会してからの流れを、包み隠さず打ち明けた。

「なるほど……だいたいの事情は分かりました」

 メモを取っていた真田が頷いたが、彼の険しい表情から、状況の厳しさがうかがえる。

 正樹はなにか考え込んでいるようだが、終始無言を貫いており意見を言うつもりはないようだった。

「まずはこれ以上の炎上を止めるよう対策を取ります。弊社製品への風評被害も甚大ですので、公式ホームページからコメントを出す必要があります」
「はい」
「千咲さんへの個人攻撃も過熱しています。私の経験から当分は収まらないと思います。千咲さんはしばらくの間自宅待機をして頂くのがいいと思います」

 真田の言葉に、千咲は動揺した。

「仕事を休まないといけないんですか?」
「はい。千咲さんは今攻撃対象になっていますから。中には過激な人もいて、自宅を特定したり会社まで押しかけてきたり、犯罪行為に繋がるケースもあるんです。安全のためにも家から出ない方がいいと思います」
「そんなことをする人がいるんですか?」
「います」
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