政略結婚ですが御曹司に甘く囲い込まれ溺愛されています
家に帰ると、リビングにいるお父さんが上機嫌だった。

いつもより少し声が弾んでいる。

「澄佳」

名前を呼ばれて、靴を脱ぎかけたまま顔を上げる。

「今日のパーティー、上出来だったな」

「……上出来?」

何のことか分からず、首を傾げる。

するとお父さんは、満足そうに頷いた。

「藤井優斗だ。おまえのことを気に入ってるようだ」

その名前を聞いた瞬間――胸が、小さく跳ねた。

(……藤井さん)

さっきの、あの人。

絆創膏を貼ってくれたときの、あの優しい手つきが頭に浮かぶ。

「……あの人が?私を……?」

思わず聞き返していた。

信じられないはずなのに。

でも、その言葉を否定するより先に――

胸の奥に、じわりと何かが広がる。

(嬉しい……)

そんな感情が、自然に湧いてくる。

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