恋煩いの処方箋
7.ふたりの甘い時間
7.ふたりの甘い時間
「じゃあ、ママたち行ってくるから。お母さん、のんのことよろしくね」
大和のご両親への挨拶にあたり、東京へ前泊することになった。大和の仕事が終わってからの出発なので、ホテルに着くのは十九時過ぎくらいだろう。明日は昼過ぎに彼の実家へ訪問する約束だ。おそらく帰宅は夕方になると思う。
「のん。ちゃんとばぁばの言うこと聞くのよ」
「わかってるよー」
「本当に⁈」
ふたりでゆっくりしてきなさいと母が言ってくれたので甘えることにした。仕事の都合で実家に預けることはあったけれど、遠く離れる(とはいっても車で二時間半程度)のは初めて。和花よりも、両親よりも私が一番不安を抱いているといっても過言ではない。
「大丈夫よ、ねえ、のんちゃん」
「うん」
「すみません、お義母さん。のんちゃん、いってくるよ」
大和が車のエンジンをかける。
「ふたりとも、気を付けて行ってらっしゃい」
和花は母と手をつないで「ばいばーい!」と元気よく手を振ってくれる。その姿に思わず涙ぐむ。
「亜子、大丈夫?」
「……うん。平気。それより大和、疲れてるだろうから休みながら行こうね」
今日大和は当直明けで夕方まで勤務していた。二四時間を超えて働くなんて私には想像もつかない大変さだろう。大和の病院では救急車で運ばれてきた患者さんや、救急病棟に入院している患者さんも担当医が決まるまでは大和たち救急医が診ているのだそうだ。
「ありがとう、亜子。俺なら大丈夫だよ、元気元気! 行きたいところとかある?」
考えてみれば大和と再会してから二人きりで遠出するのは初めてだ。東京へ行くのも十年ぶりくらいだろうか。
「食事したら、レイトショーとか観に行く?」
「それもいいね! いまどんな映画が上映されてるんだろう。調べてみるね」
私はスマホで映画の情報を検索する。娘と子供向けのアニメを観に行くことはあるけれど、大人向けの内容の映画なんていつぶりだろう。
「じゃあ、ママたち行ってくるから。お母さん、のんのことよろしくね」
大和のご両親への挨拶にあたり、東京へ前泊することになった。大和の仕事が終わってからの出発なので、ホテルに着くのは十九時過ぎくらいだろう。明日は昼過ぎに彼の実家へ訪問する約束だ。おそらく帰宅は夕方になると思う。
「のん。ちゃんとばぁばの言うこと聞くのよ」
「わかってるよー」
「本当に⁈」
ふたりでゆっくりしてきなさいと母が言ってくれたので甘えることにした。仕事の都合で実家に預けることはあったけれど、遠く離れる(とはいっても車で二時間半程度)のは初めて。和花よりも、両親よりも私が一番不安を抱いているといっても過言ではない。
「大丈夫よ、ねえ、のんちゃん」
「うん」
「すみません、お義母さん。のんちゃん、いってくるよ」
大和が車のエンジンをかける。
「ふたりとも、気を付けて行ってらっしゃい」
和花は母と手をつないで「ばいばーい!」と元気よく手を振ってくれる。その姿に思わず涙ぐむ。
「亜子、大丈夫?」
「……うん。平気。それより大和、疲れてるだろうから休みながら行こうね」
今日大和は当直明けで夕方まで勤務していた。二四時間を超えて働くなんて私には想像もつかない大変さだろう。大和の病院では救急車で運ばれてきた患者さんや、救急病棟に入院している患者さんも担当医が決まるまでは大和たち救急医が診ているのだそうだ。
「ありがとう、亜子。俺なら大丈夫だよ、元気元気! 行きたいところとかある?」
考えてみれば大和と再会してから二人きりで遠出するのは初めてだ。東京へ行くのも十年ぶりくらいだろうか。
「食事したら、レイトショーとか観に行く?」
「それもいいね! いまどんな映画が上映されてるんだろう。調べてみるね」
私はスマホで映画の情報を検索する。娘と子供向けのアニメを観に行くことはあるけれど、大人向けの内容の映画なんていつぶりだろう。