天邪鬼な私は、人気者の彼が苦手です
「やばっ。六時間目の始まりのチャイムだ」

「颯斗、急ごう」

何かを決意した目だった。
でも――

地学室に荷物を置き、私たちは急いで教室へ戻る。

颯斗の背中に、私は声をかけた。

「ねぇ、颯斗。さっきは変なこと聞いちゃってごめん。でも……無理して答えなくていいから。気にしないで」

小走りになる私に合わせて、颯斗が隣に並ぶ。


少しの沈黙。


「桜庭」

颯斗の声。

「ちゃんと頭の中がまとまったら、話を聞いてほしい」

その言葉に、私は頷く。

(何を、話そうとしてたんだろう)

さっきの目が、頭から離れない。

優しいだけじゃない。

――何かを決めた目。

胸が、少しだけ高鳴った。
< 41 / 69 >

この作品をシェア

pagetop