本日より、弊社社長と疑似子育て始めます

「おいしー!」
「りちゅき、おかわり!」

順調にパクパク食べてくれる双子に胸を撫で下ろしていたが、ふと、急にふたりが静かになった。

「どうしたの?」
「維月、李月?」

なにかをじっと見ている双子の視線を追う。その先にあったのは、野々花たちと同じようにレジャーシートを広げてお弁当を食べている家族だった。

「ママー、これ食べたい」
「これママのおにぎりだよ? 大きいから食べきれないんじゃない?」
「いいのっ、食べる! パパの唐揚げもちょうだい」
「ははっ、食いしん坊だなぁ」

三歳くらいの女の子と両親の会話が耳に届く。女の子は甘えん坊なのか、お母さんの膝の上に座って大きなおにぎりを頬張っていた。

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