祝。アフディーとイリオネスの冒険
織姫様
ーーその頃、西側の恒星ベガでは。 アフディーが琴の弦を直そうと、額に汗を浮かべながら何度も呪文を唱えていました。
「ウホマイシラバスハレコ! ウホマイシラバスハレコ……!」
必死な祈りに応えるように、一度は弦が繋がり、元の形を取り戻します。
けれども、織姫が震える指でひとたび弾けば、その音色はどこまでも不格好に歪み、無情な音を立てて再びプツリと切れてしまうのでした。
織姫は、思うように奏でられない琴の調べに、無理に作ったような笑顔を浮かべると、諦めるような言葉を口にしました。
「こんな演奏では、天女失格ですね。……やはり、私たちの願いは叶わないのでしょうか」
その時。 遥か対岸から、イリオネスが放ったバイオリンの音色が、かすかな振動となって届きました。
笹の葉を夢中で食べていた『食いしん坊のうさぎ』が、ピンと長い耳を立たせ、その音に反応して『ピクピク』と震わせながら、川の向こう岸を気にしています。
アフディーもその視線を追い、沈黙しそうになる織姫を力強く引き止めました。
「ウホマイシラバスハレコ! ウホマイシラバスハレコ……!」
必死な祈りに応えるように、一度は弦が繋がり、元の形を取り戻します。
けれども、織姫が震える指でひとたび弾けば、その音色はどこまでも不格好に歪み、無情な音を立てて再びプツリと切れてしまうのでした。
織姫は、思うように奏でられない琴の調べに、無理に作ったような笑顔を浮かべると、諦めるような言葉を口にしました。
「こんな演奏では、天女失格ですね。……やはり、私たちの願いは叶わないのでしょうか」
その時。 遥か対岸から、イリオネスが放ったバイオリンの音色が、かすかな振動となって届きました。
笹の葉を夢中で食べていた『食いしん坊のうさぎ』が、ピンと長い耳を立たせ、その音に反応して『ピクピク』と震わせながら、川の向こう岸を気にしています。
アフディーもその視線を追い、沈黙しそうになる織姫を力強く引き止めました。