祝。アフディーとイリオネスの冒険
 そのフクロウの腹部には、鈍く光る真鍮の大きな時計が埋め込まれ、巨大な目玉は、時を刻む「チック、タック」という拍子に合わせ、右、左、右、左……と、まるで見る者を深く静かな眠りに誘うような、不思議なリズムで規則正しく動いています。

 その圧倒的な存在感に、二人は逃げることも、声を出すこともできないでいます。
 ただ石のように固まり、その神秘に満ちた主を見つめることしかできなかったのです。

「困ったものだね。ここは本来、疲れ果てた大人たちが『子供の姿』に戻って訪れる場所なんだよ。本当の子供が、そのままの姿で迷い込む場所じゃないんだ」

 フクロウは真円に近い首をぐるりと一周回し、心底困り果てたように、ふぅ、と深い溜息をつきました。

 その不思議で少しだけ不気味な動きに、イリオネスはついに耐えきれなくなります。

 アフディーの背中にぎゅっとしがみつくと、か細い悲鳴を「キャーキャー」と、上げて顔を隠してしまいました。

 アフディーもまた、後ろから押されてよろめきながらも、震える声を精一杯振り絞って問いかけます。

「な、なんじゃ……。おっお前は、一体誰なのじゃ」

 巨大なフクロウは、ぐるぐると回していた首をピタリと正面に戻しました。
 その黄金の瞳に天窓の光を静かに宿し、深く、威厳に満ちた声でこう答えるのでした。
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