黒魔術の使い手ですが何か?! 死に戻り王太子妃は今世ではもふもふ精霊と一緒に楽しく暮らしたい
8.クロドという街
今日はウォルターと一緒に街に出ている。
一度視察に行こうと言い出したのだ。
前世ではなかったことだったので最初は戸惑ったが、王太子妃としてこれからしばらくはやっていく必要があるのでこういうこともやるしかないと今馬車の中にいる。
だが、前世ではウォルターは毎日寝込んでいたに等しいのでこういことをできる状態ではなかったし前世でなかったのは当たり前のことである。
子どもの時にウォルターを救って本当によかったと思う今日この頃である。
王太子として視察するのではなく、ちょっと裕福な平民を装うつもりらしく、服装は半袖のワンピースだ。水曜日に王宮へ上がると今日は勉強はなしだと言われ、簡素なワンピースに着替えさせられた。ウォルターも平民が着るような服を着ている。
真夏の昼間は暑く、馬車の中にいると汗が少し浮くほどである。
「今日は下町を中心に回ろうと思ってる。王都の中心部はなかなかに治安がいいんだが、クロドのほうまで行くと結構荒れている」
「クロドですか」
クロドといえば、エンジェルの母が住んでいたヒズルからさらに郊外に行ったところで、王都のはずれにあり下流階級の貴族の屋敷がちらほらある。あるといっても見たことがあるわけではなく、前世でもその場所には行ったことがなかった。
二度生きても知らないことは多いものだ。
そのクロドが荒れていたとは。
「ああ。違法ギルドがひそんでいて禁止薬物や奴隷の売買もされているようなんだ」
「まぁ、薬物と奴隷ですか」
薬物に奴隷の売買?
そんなことがされていたなんて。
何も知らなかった。
「殿下はそんなことまで調べられているのですか?」
「ああ。おそらく俺にもられていたユングの実の毒もクロドを通じて売買されていたと思ってる」
「そうなのですか?」
そんなに昔から荒れていたのね。
そもそもあのユングの実の毒をウォルターとセシル王妃に盛っていたあの侍女のバックにいたのは誰だったのだろう。
黒髪のとある人物とその親が思い浮かんだが、頭の中で打ち消した。
思い込みはいけないわ。
「問題はそのユングの毒をユリア王妃がどうやってここから買ったかだ」
「え?」
「どうした?」
「ユリア王妃というのはもう分かっているのですか?」
「それ以外にあるまい。母と俺を殺して得をするのはユリア王妃とグラント以外にいないだろう?今日君を王宮から連れ出したのはふたりがいないからだ」
そういえば、ふたりは今日ユリア王妃の実家であるオズワルド公爵家に出向いている。
「ま、まぁそうですが……」
「断定できるわけではないが、ほぼ確実だ。今クロドには俺の部下を忍ばせている。違法薬物を扱うギルドの主として潜入させているからそのうちしっぽを出すだろう」
「部下をですか……」
なかなか行動派である。元気なウォルターは本当に活動的だ。
あれからも王宮に上がるたびに夕食を一緒に食べていたが、本当に毎日忙しくいろいろな事をしている。
早朝から剣術の稽古に、午前中は王太子の執務。そして午後からは何やら王宮の外に出て活動しているらしい。
それのひとつがこういう活動なのだろう。
一度視察に行こうと言い出したのだ。
前世ではなかったことだったので最初は戸惑ったが、王太子妃としてこれからしばらくはやっていく必要があるのでこういうこともやるしかないと今馬車の中にいる。
だが、前世ではウォルターは毎日寝込んでいたに等しいのでこういことをできる状態ではなかったし前世でなかったのは当たり前のことである。
子どもの時にウォルターを救って本当によかったと思う今日この頃である。
王太子として視察するのではなく、ちょっと裕福な平民を装うつもりらしく、服装は半袖のワンピースだ。水曜日に王宮へ上がると今日は勉強はなしだと言われ、簡素なワンピースに着替えさせられた。ウォルターも平民が着るような服を着ている。
真夏の昼間は暑く、馬車の中にいると汗が少し浮くほどである。
「今日は下町を中心に回ろうと思ってる。王都の中心部はなかなかに治安がいいんだが、クロドのほうまで行くと結構荒れている」
「クロドですか」
クロドといえば、エンジェルの母が住んでいたヒズルからさらに郊外に行ったところで、王都のはずれにあり下流階級の貴族の屋敷がちらほらある。あるといっても見たことがあるわけではなく、前世でもその場所には行ったことがなかった。
二度生きても知らないことは多いものだ。
そのクロドが荒れていたとは。
「ああ。違法ギルドがひそんでいて禁止薬物や奴隷の売買もされているようなんだ」
「まぁ、薬物と奴隷ですか」
薬物に奴隷の売買?
そんなことがされていたなんて。
何も知らなかった。
「殿下はそんなことまで調べられているのですか?」
「ああ。おそらく俺にもられていたユングの実の毒もクロドを通じて売買されていたと思ってる」
「そうなのですか?」
そんなに昔から荒れていたのね。
そもそもあのユングの実の毒をウォルターとセシル王妃に盛っていたあの侍女のバックにいたのは誰だったのだろう。
黒髪のとある人物とその親が思い浮かんだが、頭の中で打ち消した。
思い込みはいけないわ。
「問題はそのユングの毒をユリア王妃がどうやってここから買ったかだ」
「え?」
「どうした?」
「ユリア王妃というのはもう分かっているのですか?」
「それ以外にあるまい。母と俺を殺して得をするのはユリア王妃とグラント以外にいないだろう?今日君を王宮から連れ出したのはふたりがいないからだ」
そういえば、ふたりは今日ユリア王妃の実家であるオズワルド公爵家に出向いている。
「ま、まぁそうですが……」
「断定できるわけではないが、ほぼ確実だ。今クロドには俺の部下を忍ばせている。違法薬物を扱うギルドの主として潜入させているからそのうちしっぽを出すだろう」
「部下をですか……」
なかなか行動派である。元気なウォルターは本当に活動的だ。
あれからも王宮に上がるたびに夕食を一緒に食べていたが、本当に毎日忙しくいろいろな事をしている。
早朝から剣術の稽古に、午前中は王太子の執務。そして午後からは何やら王宮の外に出て活動しているらしい。
それのひとつがこういう活動なのだろう。