遠距離恋愛
「もしもし、隼人?」
「おう。何そんなに焦ってんだよ?」
クスッと笑う隼人。
だって、
「あたしがかけようとした時に、携帯がいきなり鳴ってびっくりしたんだもん。」
「俺ら、以心伝心ってやつじゃん?」
またクスッて笑った。
絶対バカにされてるっ!!!
「それよりさ、あと10日だね。」
「そうだよな。」
そう。
あと10日。
また隼人に会える日まであと・・・10日。
「プレゼント準備して行くからな。待ってろよ?」
「楽しみにしとくね。そうだ、また家族であのホテル行くって!!」
「じゃぁ、また俺たち同じ部屋にしような。」
「うん。でも、拓也が怒るよ?」
「いいんだよ、別に。」
拓也《タクヤ》は隼人の弟で同い年の高1。
あたしがたちが羨ましいみたいで、いっつも邪魔ばっかりしてくる。